知的財産ニュース AI半導体特許で第4次産業革命をリードする

2018年3月15日
出所: 韓国特許庁

AI半導体の特許出願が急増

韓国特許庁によると、最近、話題になっている第4次産業革命の中核技術の一つである人工知能(Artificial Intelligence、以下、AI)半導体に関する特許出願が急増していることが分かった。 AI半導体関連の特許出願件数は、2015年は77件にとどまったが、2017年には391件と5倍以上に増加したことが分かった。特に、「機械学習用非メモリ半導体」と「ニューロモーフィック(Neuromorphic)用非メモリ半導体」に関する特許出願の増加が目立った。

これは、「機械学習用非メモリ半導体」の場合、機械学習用のアルゴリズムの駆動に高性能・高容量の半導体が必要であるためであり、「ニューロモーフィック用非メモリ半導体」の場合はハードウェア的に人間の脳神経を模倣した次世代AI半導体の構造として、最近、業界の高い関心と活発な研究活動が反映されたためとみられる。

出願人を国籍別に見ると、韓国590件(71.3%)、米国182件(22.0%)と、両国の出願人が90%以上を占めており、次いで日本(17件、2.1%)、フランス(9件、1.1% )の順であった。

主な出願人としてはサムスン電子が199件(24.0%)で最多出願人に名を上げた。続いてクアルコム(59件、7.1%)、ETRI(36件、4.3%)、KAIST(23件、2.8%)などの順であった。

特許庁の分析によると、最近15年間(2003〜2017)のAI半導体分野で出願された特許828件のうち、「AI非メモリ半導体」関連の特許出願件数が650件で79%を占めており、「AIメモリ半導体」関連の特許出願件数は178件で21%を占めている。第4次産業革命の到来により、さまざまなAI技術を実現するためには、当面は非メモリ半導体の優位性が維持されるとみられる。

詳細技術分野別に見ると、「AI非メモリ半導体」の中でも米グーグルによるアルファ碁(AlphaGO)の深層学習(ディープラーニング)のような機械学習に使われる「機械学習用非メモリ半導体」関連の特許出願件数が348件(42 %)と、最も大きな割合を占めることが分かった。

一方、次世代AIプロセッサとして注目を浴びる「ニューロモーフィック用非メモリ半導体」関連の特許出願件数は58件(7%)で割合は少なくなっているが、最近3年間、最大の伸びを示した有望な技術であった。

特許庁半導体審査課の課長は「AI半導体は、高性能プロセッサと高速・広帯域メモリが結合するときに最大のシナジーを出すことができる技術分野である」とし、「今後、韓国が第4次産業革命をリードするAI半導体の強国になるためには、世界最高レベルの半導体技術と多様なAI機能に対するバランスのとれた投資と研究開発を通じて、多くの知的財産権を先取りする必要がある」と強調した。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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