知的財産ニュース カーリング、特許から見た平昌冬季オリンピック

2018年1月24日
出所: 韓国特許庁

これまでの国家代表チームの成果を見ていると、「カーリング」が平昌冬季オリンピックで上位入りするという期待が高まる。カーリング競技の成長を反映するように、カーリング大国になる可能性を高めるカーリングの大衆化技術が韓国国内で特許出願されている。

韓国特許庁によると、カーリングに関する国内特許出願件数は、1994年から2013年までは5件に過ぎなかったが、ソチオリンピックの開催以来(2014〜2017)、約5倍増の26件が出願されたことが分かった。特に、平昌冬季オリンピックの準備が本格化した2017年だけで13件も出願され、従来のカーリングが持つ問題点と限界を乗り越えようとする技術的試みが急増傾向にある。

主要特許出願の技術を見ると、2013年まではカーリングストーンに関する出願(80%)が主であったが、2014年以降は、従来のカーリングストーンの改善が約38%、氷上の代わりに床の上で行うフロアカーリングが23%、スクリーンを見て行う室内ゴルフのようにIT技術を取り入れたスクリーンカーリングが15%、ユーザーのデータを分析してフィードバックするカーリング訓練システムが12%を占めるなど、技術分野が多様化したことが分かる。

2014年以降の出願人の内訳を見ると、中小企業が約54%(14件)、大学産学協力団が約27%(7件)、個人が約19%(5件)でカーリングに対する大衆的な関心が反映されたとみられる。

カーリングの大衆化に貢献する重要な技術である「フロアカーリング」は、アイスリンクでの競技方法と同様に特殊コーティングでアイスリンクのようにした床の上で、合成樹脂と花崗岩を圧縮したカーリングストーンを投げる方式である。フロアカーリングを利用すれば、氷上のための設備と維持費用、カーリング装置のコストが削減され、冬季スポーツであるカーリングを季節や場所に関わらず、楽しめる。

また、室内ゴルフのようにIT技術を取り入れ、室内でもカーリングゲームを可能にした「スクリーンカーリング」もある。カーリングストーンをスライドして投げると、周辺に設置されたセンサーがカーリングストーンの速度、回転などを感知し、カーリングストーンの予想経路をスクリーンで見せる。狭い室内空間でもカーリング競技を可能にする先端技術である。

このようなカーリングの大衆化技術は、カーリングの時間・空間的制約を解消し、経済的負担を軽減し、カーリングを大衆にとって身近なものにする。これにより、カーリングの大衆化とすそ野の拡大に寄与し、ひいては冬季オリンピックでもカーリングにおいて存在感を示す近道につながるとみられる。

特許庁住居生活審査課の課長は「平昌冬季オリンピックを契機にカーリングの大衆化を可能にする特許技術が急増している」とし、「平昌冬季オリンピックでカーリングが良い成果を収め、国民の関心を得て、さらに環境的制約および経済的負担なく、気軽に楽しむ生活スポーツの一つとして定着することを期待している」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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