知的財産ニュース 優秀な特許の必須条件、職務発明制度

2018年1月22日
出所: 韓国特許庁

韓国特許庁は、研究者の発明意欲を高め、企業の優秀な特許取得に欠かせない職務発明制度の導入・拡大の支援に向けた「2018職務発明活性化事業」を実施すると発表した。

今日、発明の多くは、大規模な企業、研究所などで行われている(*)。職務発明とは会社に雇われた従業員が仕事をしながら開発した発明を指す。会社が職務発明に対する特許を確保するためには、職務発明の承継および補償などを主な内容とする職務発明制度を導入する必要がある。職務発明制度を通じ、従業員は自分の研究成果に対する正当な補償を受けることができ、会社は従業員の技術開発の意欲を高め、優秀な特許を取得できる。
*16年の特許出願件数208,830件のうち、法人の特許出願件数が167,952件(80.4%)

職務発明に対する関心が高まり、企業の職務発明制度の導入率は2012年の43.8%から2017年には65%まで増えた。

医療機器メーカーであるM社は、2015年に職務発明制度を導入し、安定性を高めた注射針の特許開発に成功した。その後、産業通商資源部が選んだ次世代の世界一流商品に選定され、ヨーロッパ市場にも進出した。半導体部品会社であるS社は、2009年に職務発明制度を導入した後、技術力が大幅に向上し、売上高は2009年の2,900億ウォンから2015年には6,300億ウォンへと急増した。

特許庁は、このように企業成長の基盤となる職務発明制度が浸透するよう、さまざまな支援事業を実施する。

まず、職務発明制度の導入および運用をめぐる悩みを解消し、企業に必要な制度づくりを支援するためのコンサルティングを提供する。そして、職務発明に対する意識向上のために説明会を開催する。さらに、職務発明補償優秀企業認証制度を運営し、模範的な職務発明補償企業にインセンティブを提供する。認証を受けた企業は、4〜6年目の特許料減免、優先審査支援、さまざまな政府支援事業で加点を獲得するなどの恩恵を受けることができる。

コンサルティングおよび説明会については、通年で申込可能であり、認証制については1年間4回受け付ける。詳細については、職務発明制度のホームページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますまたは韓国発明振興会のホームページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの事業公告で確認できる。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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