知的財産ニュース 特許庁、中小・ベンチャー企業の革新成長の支援に向けた特許手数料システムを改変

2018年1月15日
出所: 韓国特許庁

韓国特許庁は、昨年に策定した「第4次産業革命時代における知的財産政策の方向」により、中小・ベンチャー企業の革新成長を促進するために特許手数料システムの改変を盛り込んだ「特許料などの徴収規則一部改正令案」を立法予告すると発表した。

改正案によると、特許庁は特許創出活動を活発にしている中小・ベンチャー企業が技術革新を通じてより良い特許を創出できるよう、中小・ベンチャー企業が納付した手数料総額の10%から最大50%までを返す「特許成長リワード」制度を導入する。

また、中小・ベンチャー企業が創出した特許(実用新案、デザインを含む)の年金登録料(*)を半額納付に変えることで、特許出願から権利維持までの全区間における経済的負担を軽減する。これで、中小・ベンチャー企業の競争力強化をけん引する予定である。
*特許権・実用新案権・デザイン権の設定登録以降、4年目から権利維持のために毎年、1年分を納付する登録料

「特許成長リワード」制度とは、中小・ベンチャー企業が特許創出活動を行って特許庁に納付する年間(毎年1月1日から12月31日)手数料(*)の総額が一定の基準を超過した場合、特許庁が該当企業にインセンティブを提供し、これを今後、他の手数料を納付する時に使えるようにし、中小・ベンチャー企業の革新活動を奨励する制度を意味する。
*(特許創出活動に係る手数料)審査請求料、最初3年分の登録料

中小・ベンチャー企業など(*)に対する特許、実用新案、デザインの年金登録料減免制度も大幅に見直される。
*個人(出願人と発明者が同じである場合)、中小企業、公共研究機関、地方自治体

これまで中小企業・ベンチャー企業などは、特許登録以降9年目まで年金登録料の減免(30%)を受けてきた。しかし、減免の割合や期間を大幅に見直す今回の改正案が施行されると、特許登録後の全期間、年金登録料は半額納付となる。
*(現行)最初設定登録料(1~3年目)は70%減免、4年~9年目の年金登録料は30%減免
→(改正案)最初登録料(1~3年目)は70%減免、4年~20年目の年金登録料は50%減免

こうなると、中小・ベンチャー企業が保有する特許1件を20年間、権利維持するために必要な登録料全額が従来の836万ウォン(*)から445万ウォンレベルに減ることで、特許維持費用の負担が軽減される。これにより、中小・ベンチャー企業が核心特許を戦略的に長期間、保有する割合が増加すると見込まれる。
*中小企業の特許1件当たり保有する請求項(発明の保護範囲)数が6つである場合

これとともに、特許庁は、中小・ベンチャー企業が職務発明補償の優秀な企業や知的財産経営認証企業に選ばれると、4年~6年分の年金登録料をさらに20%減免する制度を、今年2月まで一時的に運営する予定であったが、中小企業の職務発明補償制度の導入と知的財産経営の拡大を図るために2022年まで4年間延長運営することにした。

この改正案の立法予告期間は1月15日から2月26日までであり、法制処の審査を経て2018年4月から施行する予定である。詳細については特許庁のホームページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますおよび統合立法予告システム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで確認できる。

特許庁情報顧客支援局の局長は「今回の改正案は第4次産業革命の時代を迎え、中小・ベンチャー企業が革新成長を加速できるように特許手数料を減らすことに焦点を当てた」とし、「これは、中小・ベンチャー企業の知的財産に基づく企業経営に非常に役立つだろう」と見通した。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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