知的財産ニュース 一枚に複数のカードを登録するオールインワンカードが登場

2017年11月2日
出所: 韓国特許庁

韓国特許庁によると、この5年間(2012年〜2016年)オールインワンカードに関する特許出願件数は125件で、その前の5年間(2007年〜2011年)の出願件数の26件に比べ、約4倍以上増加したことが分かった。

オールインワンカードは一枚の実物カードに複数のカード情報が登録されており、必要に応じて適切なカードを選択することができる。これにより、ユーザーはさまざまなカードを簡単かつ便利に使うことができる。カードを選択する方法には①オールインワンカードを直接操作してカードの種類を選ぶ方法(以下、「直接操作方式」)、②スマートフォンにインストールされたアプリ(Application)で使うカードを決めると、選択したカードが実物カードと連携できる方法(以下、「アプリ駆動方式」)がある。

出願件数を見ると、「アプリ駆動方式」は2011年から本格的に出願された。以降、出願割合が着実に増加し、2017年には「直接操作方式」の出願件数を超えたことが分かる。

これは、「直接操作方式」がカードを選択するには相対的に便利だというメリットがあるにもかかわらず、カード発行コストが高いことと、カード管理が難しいことによるものとみられる。

「直接操作方式」と「アプリ駆動方式」には互いに相対的な欠点があるが、その欠点を克服し、利便性、セキュリティーなどを強化するために、最新技術を取り入れた出願が続いている。当面、両方式に関する出願件数は増え続ける見通しである。

出願人別に見ると、この5年間(2012年〜2016年)の全体の出願件数の約87%は企業による出願である。業種別ではBCカードなどのクレジットカード会社が最も多く、次いでKTやSKテレコムなどのキャリアである。

これに加え、従来のカードの製造元や最新技術を取り入れたいスタートアップも出願しているため、自社ならではの強みをアピールしようとする企業間の技術競争はさらに激しくなるとみられる。

オールインワンカードは最近、広がっているモバイル簡単決済方式に比べ、一般ユーザーにとってなじみがあるという強みを持っている。オールインワンカードから必要なカードを選択するだけで一般的に使用するクレジットカードと同じように使えるからである。こうした相対的な強みと2016年のクレジットカード決済市場規模が694兆ウォンに達することを考えると、今後オールインワンカードに関する市場の関心はより高まる見通しである。

特許庁事務機器審査課長の課長は「オールインワンカードの普及に伴い、機能向上に対する需要者のニーズが高まっている」とし「市場を先取りするために、従来のカード会社、金融会社を中心にこの分野における技術やサービス競争が活発になり、自社のオールインワンカードサービスに関する特許出願件数も持続的に増えるだろう」と見通した。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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