知的財産ニュース IoTと人工知能を融合させたデジタルドアロックの特許出願が増加

2017年4月20日
出所: 韓国特許庁

韓国特許庁によると、IoT技術を融合させたデジタルドアロックに関する特許出願件数は2009年から5年間は一桁にすぎなかったが、2014年には27件、2015年には48件になるなど毎年二桁で急増していることが分かった。

スマートフォンの登場により、IoT技術とデジタルドアロックの融合が本格化し、ユーザーがスマートフォンでドアロックを開閉できるようになった。その後、人工知能を利用するデジタルドアロック技術の発展をけん引してきた。

人工知能を利用するデジタルドアロックに関する発明件数は、2003年に韓国初で出願された以降、2013年まで計8件にすぎなかったが、2014年にはたった1年で7件が出願されるなど増えた。

2014年を起点に増加したIoTや人工知能の技術を融合させたデジタルドアロックに関する特許出願は、スマートフォンの大衆化による現象とみられ、当面は続くと予想される。

こうした中で、IoTに関するデジタルドアロックの出願件数は、全体のデジタルドアロックの出願の3分の1を占めていることが明らかになった。

IoTや人工知能の技術などを融合させたデジタルドアロックに関する技術動向

デジタルドアロックには取っ手やキーパッド、回路基板などが含まれているが、初期にはRFカード、指紋認識、顔面認識といった暗号コード技術に関する出願がほとんどだった。しかし、こうした技術は事前登録が欠かせないため、不特定多数に対する選別的な出入り許容に適用することは困難だった。

最近、デジタルドアロックに関する技術の発展とともに人工知能が融合したが、これは事前登録なしでは男性と女性、大人と子供を正確に区別できなかった従来の顔面認識の技術における弱点を克服したのだ。

これにより、女性用の公衆トイレには女性のみ出入りを許容し、屋上のドアは大人のみ開けられるよう許容するデジタルドアロックの装置を、近いうちに日常で目にすることができるだろう。

一方で、デジタルドアロックのIoT化により、人工知能や対話型スピーカーなどとの結合も可能になった。これにより、リビングやキッチンなどから玄関まで行かなくても一言言うだけでドアが開けられる時代が開き、ユーザーは生活でさらなる利便性を享受できると期待できる。

特許庁の住居生活審査課長は「IoT、人工知能などが中核である第4次産業革命を契機にデジタルドアロック分野も知能型に発展している」とし「今後もIoTや人工知能、デジタルドアロックに関する特許出願は続くと予想できる」と述べた。

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