知的財産ニュース ディスプレイの進化が止まらない、ローラブルディスプレイ

2017年5月23日
出所: 韓国特許庁

テレビ画面やスマートフォンの画面を丸めて持ち歩ける時代が遠くない。

韓国特許庁はディスプレイ装置に関する特許出願のうち、画面を丸めることができる「ローラブルディスプレイ」に関する特許出願件数が最近、急増していると発表した。

ローラブルディスプレイは硬いガラス基板の代わりに柔軟なプラスチック基板を用いた表示装置であり、丸めておいた後、必要な時に開いて使用することができるため、今後その適用範囲が大幅に広がる見通しだ。

これを裏付けるように、ローラブルディスプレイに関する特許出願件数は2013年には2件にすぎなかったが、2014年には15件に急増し、2016年には32件が出願された。

2023年ごろ、ローラブルディスプレイが商用モバイル製品に適用されるだろうという政府および関連業界の予測を勘案すると、今後も増加傾向は続くとみられる。

ここ10年間のローラブルディスプレイに関する出願人別の動向を見ると、サムスンディスプレイが40件と53%を占めでおり、次いでLGディスプレイが26件と35%を占めている。また、中小企業や個人などが9件を出願し、韓国企業がローラブルディスプレイ技術をリードしていることが分かる。

ここで注目すべきは、韓国企業の特許出願が2014年から爆発的に増加し、ここ3年間韓国企業による出願割合が出願全体の90%を占めていることだ。これは韓国企業がCRTおよび薄型ディスプレイ方式の第1、2世代ディスプレイの主導権に基づき、次世代ディスプレイ市場でも主導権を先に握るための戦略によるものと分析される。

特許庁のディスプレイ機器審査チーム長は「現在、ローラブルディスプレイを含めるフレキシブルディスプレイ技術に対する主導権を韓国企業が握っているが、中国、日本など海外企業が猛スピードで追い上げているだけに、韓国企業は国内外で中核技術に関する特許権を確保していくことで次世代ディスプレイ技術の優位性をさらに固めていくことが重要だ」と強調した。

一方、特許庁はディスプレイ分野における特許の競争力強化に向け、産業界と特許庁のコミュニケーションと協力の一環として「IP Together」という行事を定期的に開催してきた。また、「改正特許法説明会」などを通じて関連情報を持続的に提供していく見通しだ。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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