知的財産ニュース 商標分野で目立つ女性の活躍

2017年3月8日
出所: 韓国特許庁

女性の社会進出と経済活動が活発になり、商標出願においても女性の活躍が目立っている。 韓国特許庁が世界女性の日を迎え調査を行った調査によると、過去10年間で個人の商標出願に占める女性の商標出願の割合は次第に増加している。

※世界女性の日(International Women's Day):1908年、劣悪な作業場で起きた火災によって亡くなった女性を追悼するために、米国の労働者が決起した日を記念する日で、1975年から毎年3月8日と国連によって公式に指定された。

2007年に79.2%だった男性の商標出願の割合が2012年に73.5%へ、2016年には71.8%へと徐々に減少した反面、2007年に20.8%だった女性の商標出願の割合は2012年に26.5%へ、2016年には28.2%と2007年に比べて7.4ポイント増加した。

このように女性の商標出願の割合が次第に増加しているのは、女性の経済活動参加が活発になり、女性による創業も増加したことによる影響とみられる。

しかし、過去10年間を全体で見ると、個人の商標出願に占める女性出願人の割合は26%で、男性出願人の割合74%に大きく及ばない。これは、最近女性の経済活動が増加しているものの、依然として男性に比べては不足しているためとみられる。

年度別に見ると、2013年以降徐々に増加傾向にあった女性の商標出願は2015年2万2,729件から2016年に2万1,717件へと前年比4.5%減少したことが分かった。

全体の個人出願が2015年の1万8,481件から2016年の7万7,056件と5.4%減少し、男性の商標出願も2015年の5万8,752件から2016年の5万5,339件と5.8%減少したことを踏まえると、2016年の女性商標出願の減少は、経済全般にわたる景気低迷の影響を避けることができなかったためとみられる。

商品・サービス業別に見ると、過去5年間女性の商標出願は広告業/企業管理業/卸小売業の分野が1万7,891件(15.3%)で最も多く、飲食業/宿泊業分野が1万7,740件(15.2%)、衣類/履き物などファッション用品分野が1万51件(8.6%)でその後に続いていることから、女性の商標出願は主に広告/流通業、飲食店/居酒屋/宿泊業、衣類/履き物などのファッション用品分野で活発に行われていることが分かった。

一方、年齢別に見ると、2016年時点で女性の商標出願は30代(34.1%)が最も多く、次に40代(29.5%)、20代(15.9%)、50代(15.5%)の順だった。

それに対し、男性の商標出願は40代(33.0%)、30代(29.1%)、50代(21.4%)、20代(9.8%)の順となり、女性の商標出願は男性に比べ若い層が主導している傾向を見せ、注目を集めた。

特許庁のチェ・ギュワン商標デザイン審査局長は「個人の商標出願のうち、女性による商標出願の割合は男性の商標出願の割合に比べ、まだ低い状況だ」とし、「女性の活発な社会進出と経済活動への積極的参加によって女性の創業も持続的に増加すると予想されており、今後女性の商標出願の割合も増加する見通しだ」と話した。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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