知的財産ニュース モバイル決済、利便性と信頼性の向上を

2017年4月6日
出所: 韓国特許庁

韓国特許庁によると、モバイル決済技術に対するPCTに基づく国際特許出願の公開件数は2007年まで16件に過ぎなかったが、2008年には28件、2016年には119件と増え続けていることが分かった。

主な出願人を見ると、クレジットカード会社であるビザカード(41件、7.2%)とマスターカード(36件、6.3%)が多かった。 次いでZTE 21件(3.7%)、アリババ19件(3.3%)、ZHOU 14件(2.4%)、イーベイ11件(1.9%)、アップル9件(1.6%)、グーグル9件(1.6%)、サムスン8件(1.4%)等の順で、従来の電子商取引業者及び携帯電話メーカーの出願が多かった。

出願人の国籍別で見ると、アメリカが248件(43.4%)と最も多く、次いで中国125件(21.9%)、韓国51件(8.9%)、イギリス18件(3.1%)、ドイツ12件(2.1%)等の順だった。

公開された主要技術としては、モバイル端末と決済端末間の無線通信のための近距離無線通信(NFC)技術(25.4%)やマグネチックセキュリティー伝送(MST)技術(1.2%)、転送されるデータの不正使用を防止するためのトークナイゼーション(Tokenization)技術(15.0%)などがある。その他、指紋や虹彩などの生体情報で個人を識別するための生体認証技術(6.1%)もあった。

台湾の調査会社TrendForceによると、今年のモバイル決済の市場規模は昨年より25.8%成長した7,800億ドル(約895兆ウォン)に達し、2019年には実に1兆800億ドル(約1,140兆ウォン)にまで急成長する見通しだ。このようにモバイル決済市場が拡大しているのは、スマートフォンユーザーに手持ちのスマートフォンで何でも解決することを求めるよう生活パターンが変化したことにあるだろう。

特許庁国際特許出願審査1チームのチーム長は「モバイル決済には使い勝手が良く、信頼できるというユーザーのニーズを反映する技術開発が求められる」とし、「韓国国内企業が世界的なモバイル決済市場に参入し、国際競争力を備えるためにはPCTに基づく国際特許出願でグローバルな特許権確保にも取り組まなければならない」と述べた。

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