知的財産ニュース 特許庁-WIPO、「適正技術コンテスト」を中米4カ国で開催

2017年11月13日
出所: 韓国特許庁

韓国特許庁はエルサルバドル共和国、ドミニカ共和国、パナマ、コスタリカなど、中米4カ国で適正技術コンテストを開催する。エルサルバドル共和国の首都サンサルバドルで現地時間11月10日(金曜)に初めて適正技術コンテストの授賞式を開催した。

特許庁と世界知的所有権機関(WIPO; World Intellectual Property Organization)が共同で主催したこのコンテストは、「生活の質の向上のための革新的な発明(Innovative Solutions to improve the quality of life)」をテーマにし、今年4月から行われた。

「適正技術」とは地域の環境と特性を反映して考案された技術であり、最先端技術に比べ、低コストで実現することができるため、途上国に適した技術を意味する。特に、特許情報を利用すれば、途上国の現地に合った適正技術を、低コスト・効率的に開発することができる。特許庁は期限切れの特許情報を利用し、2010年から11カ国に竹を活用した住宅、調理用ストーブ、ハーブオイル抽出器などの適正技術を開発・普及してきた。

適正技術コンテストは、途上国における問題点とその解決策に必要な技術とは何なのかを把握し、特許情報を活用して解決策を見つける大会である。これにより、適正技術に対する途上国現地の需要を発掘し、知的財産に対する途上国の認識を高めることができる。特許庁は、2011年からWIPOの韓国信託基金を活用し、ベトナム、タイ、マレーシアなど9カ国で計12回の適正技術コンテストを開催した。2016年にドミニカ共和国、タイ、モンゴルで開催された適正技術コンテストの場合、複数の地元放送局が中継するなど、途上国から注目を浴びていた。

今回、エルサルバドルで初めて開かれた適正技術コンテストには21点が出品され、授賞式には駐エルサルバドル大使やエルサルバドル特許庁長をはじめ、約50人が参加した。今年開催された適正技術コンテストの授賞式はドミニカ共和国(11月15日)、パナマ(12月1日)、コスタリカ(12月6日)で開催される予定である。

特許庁多国間機構チームのチーム長は「4カ国で開催される適正技術コンテストを通じて中米地域との知的財産権協力をもっと強め、今後も国際機関などと共に、韓国の強みである知的財産分野で途上国を支援できるビジネスを展開していきたい」と述べた。

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