知的財産ニュース 粒子状物質を低減させるPCT国際特許出願件数が顕著に増える

2017年10月16日
出所: 韓国特許庁

韓国特許庁によると、粒子状物質関連技術の国際特許出願件数は、この10年間で世界的に317件あった。2008年から2014年までの出願件数は年平均28件だったが、2015年から2017年9月までは年平均40件となり、過去7年間の出願件数に比べ、この3年間の出願件数が42.8%増えたことが明らかになった。

粒子状物質に関する主要技術別の出願件数を見ると、ろ過/分離技術が120件(37.6%)、集塵技術が59件(18.7%)、測定技術が27件(8.5%)、低減技術が111件(35.2%)である。

出願人別に見ると、LG電子、アモーレパシフィック、ポスコなどの韓国企業とシャープ、太平洋セメント、東レなどの日本企業による出願が多く、その他、BASF、BSH BOSCH、シーメンスなどのドイツ企業が出願件数上位企業に含まれている。   特に、粒子状物質に関する技術では、出願件数上位企業による出願件数は34件(10.5%)に過ぎない。一方で中小企業、個人、研究所、学校などによる出願件数は283件(89.5%)と最も多く、特定の企業に偏っていないことが分かった。

出願申請を受けた特許庁別に見ると、韓国特許庁に最も多い75件(23.7%)が出願され、続いて日本特許庁に74件(23.3%)、欧州特許庁に53件(16.7%)、中国特許庁に26件(8.2%)、米国特許商標庁に23件(7.3%)の順であった。他にも66件(20.8%)が出願された。

粒子状物質に関する出願件数が韓国特許庁と日本特許庁に集中していることに注目したい。中国とモンゴルで発生する黄砂の影響を日韓が直接・間接的に受けているためだ。そこで、今後も粒子状物質関連技術のPCT国際特許出願は、さらに韓国特許庁と日本特許庁に集中すると見られる。

特許庁の国際特許出願審査2チーム長は「粒子状物質は、9大国家戦略プロジェクトの一つに選ばれ、今後も出願が増え続けると見られる」とし「韓国企業が粒子状物質関連の中核技術に関する特許戦略を策定するためにPCT国際特許出願などの制度を有効に活用できるように力を入れたい」と述べた。

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