知的財産ニュース 欧州特許庁、特許出願ランキングを発表

2017年3月7日
出所: デジタルタイムズ

中国企業の特許競争力は急上昇した反面、韓国主要大企業であるサムスンとLGの特許競争力は後退している。中国は、スマートフォン・家電・自動車など完成品だけでなく、半導体・ディスプレイなど部品・素材産業においても大規模な投資を行い、韓国の技術力を追撃する形となっている。

3月7日欧州特許庁によると、昨年の欧州特許庁の特許出願の順位においてフィリップスが1位を占めた。続いて2位は華為、3位はサムスン、4位はLGとなった。前年と比べると、フィリップスは1位を守ったが、サムスンとLGはそれぞれ2、3位から1段階落とした。これに対し、4位だった華為はわずか1年で順位を2階段も上げた。変化率もサムスンは2.1%減少した反面、華為は22.4%増加した。

このように華為の目覚しい成長に支えられ、欧州特許出願の上位国においても中国は韓国を抜いた。2015年、欧州で5,721件の特許を出願して8位となった中国は、昨年24.8%増の7,150件の特許出願件数で韓国を抜いて6位に上がった。同期間、韓国は7位から8位に下がった。昨年、韓国の特許出願件数の増加率は6.5%と過去最大を記録したが、中国に比べると非常に少ない水準となる。

欧州特許出願の上位国(単位:件)
順位 2016年 変化率
1 米国 40,076 -5.9%
2 ドイツ 25,086 1.1%
3 日本 21,007 -1.9%
4 フランス 10,486 -2.5%
5 スイス 7,293 2.5%
6 中国 7,150 24.8%
7 オランダ 6,889 -3.6%
8 韓国 6,825 6.5%
9 英国 5,142 1.8%
10 イタリア 4,166 4.5%
11 スウェーデン 3,555 -7.4%
12 ベルギー 2,184 7.0%
13 オーストラリア 2,040 2.6%
14 デンマーク 1,867 -2.8%
資料:欧州特許庁

ただ、サムスンとLGはコンピューター、電子機器分野で存在感を表した。サムスンはコンピューター技術で1位のマイクロソフト(MS)に続いて2位に上がった。LGは電子機器、エネルギー分野で前年より一階段上昇した3位となった。

欧州特許庁のバティステリ長官は「急速に変化する政治的・経済的状況の下、欧州での特許保護に向けた世界各国の企業の需要は着実に増えつつある。アジア諸国の出願の成長ぶりが印象的だ」と話した。

パク・スルギ記者 seul@dt.co.kr

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