知的財産ニュース 韓国のバラエティー番組を守れ!中国における商標出願件数が急増

2017年11月6日
出所: 韓国特許庁

ドラマ、バラエティー番組など、韓国の放送コンテンツに対する中国の好感度が高い中、最近、韓国の放送関係者による中国での商標出願が急増していることが明らかになった。

韓国特許庁によると、2009年〜2013年の5年間、年平均8件前後に過ぎなかった韓国番組の中国での商標出願件数が2014年には60件、2015年には74件に増加しており、2016年には前年比71.6%増の127件であることが明らかになった*。

*出所:国家工商行政管理総局[State Administration for Industry and Commerce; SAIC]の検索サイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、2017.9時点

中国で出願された商標件数の内訳を見ると、最も多いのは韓流ドラマの元祖といえるMBCの「大長今(チャングムの誓い)」が42件で1位となり、オーディション番組である「少年24」が18件で2位、次いで「ロボットトレイン」が17件、「PRODUCE 101」が15件、「Banana Doong Doong」が15件である。

ジャンル別に見ると、全体に占めるバラエティー番組の割合が33%、音楽関連番組が29%、ドラマやアニメがそれぞれ19%を占めている。

出願人別で見ると、メディアコンテンツの専門企業であるCJ E&M(tvN、MNETなど)が約200件で累積順位1位を占めており、次いでMBCが65件、KBSが45件である。

これに対し、韓国における番組の商標出願件数*は、2013年に511件でピークを迎えた後、2014年の265件、2015年の258件、2016年には247件となり、減少傾向にある。これは、中国における商標出願件数とは対照的である。

* 2012年から2017年06月まで韓国テレビ局による韓国国内での出願件数を基準にする。

韓国で最も多く出願された商標は、「ロボットトレイン」で42件ある。次いで「ランニングマン」が33件で2位、「ゲストハウス(GUEST HOUSE)」が24件、「PRODUCE 101」が22件、「テレモンスター(TELEMONSTER)」が20件である。

特許庁商標デザイン審査局の局長は「最近、中韓関係がぎくしゃくしていることで、放送関係者が番組の輸出に悩みを抱えているが、今後、両国関係が改善される可能性などを考えると、長期的観点から対応する必要がある」とし「放送番組だけでなく、一般的な輸出企業も中国における知的財産権の保護とブランドの先取りによる被害を防ぐために今は商標の出願に力を入れなければならない」と述べた。

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