知的財産ニュース 特許深層面談サービスの利用が活発

2017年4月6日
出所: 韓国特許庁

韓国特許庁が2015年に導入した特許深層面談サービスの利用率が大きく増加(2015年:367件→2016年:820件)している。特許深層面談とは、面談の申請、準備、進行などを体系化した制度として、出願人は発明に対する特許の可否について、公式的に相談を受けることができる。

特許深層面談サービスは大きく二つに分けられ、予備審査は、拒絶理由の通知前に予め拒絶理由の克服のために意見を交換する制度であり、補正案レビューは、審査官が通知した拒絶理由を基に補正案について相談に乗ってあげる制度である。

特許庁は、特許深層面談の活性化に合わせて、より充実した疎通が行われるよう、サービスを一層アップグレードすると6日、明らかにした。

既存の深層面談サービスは、面談前に相手の正確な意図を把握することが難しく、面談時間が無駄に長くなる問題点があった。その反面、新たな面談サービスは、面談前に主な意見を書面で共有し、面談時に迅速な争点の把握及び合意への到達が可能となる。

サービス別にみると、改善された予備審査は、審査官が面談前に予備審査結果を通知する。従来は、審査官が別途通知なしに面談時に検索した引用発明などの予備審査結果を口頭で伝え、出願人が即席で対応することが難しかったが、今回の改善により、出願人と審査官の間の実質的な意見交換が可能となった。

改善された補正案レビューには、出願人の補正案の説明書の提出が追加される。補正案の具体的な説明、複数の補正案の提示などを可能にすることで、審査官が面談前に出願人の補正意図を明確に理解することにより、疎通の内実化を図った。

加えて、再審査(注1)面談を新たに導入する。審査官が既に拒絶決定した出願をまた審査する再審査は、両方の意見が対立する場合が多いため、深層面談が必要という出願人の持続的な苦情を反映したものである。出願人は再審査の請求前に審査官と十分な疎通が可能となる。

今後も特許庁は出願人との疎通行政として、強い特許創出のための適正権利範囲の提示、明白な記載不備に対する職権補正などを持続的に体系化して推進していく計画である。

特許庁の特許審査企画局長は「面談は出願人と全ての審査官に役立つ制度として、今回改善された面談サービスが審査の品質向上に大きく寄与すると期待する」と明らかにした。

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