知的財産ニュース 一人世帯の増加に伴い、HMRに関する特許が増加

2017年12月27日
出所: 韓国特許庁

1人世帯の増加に伴い、「一人飯」が一つのトレンドとして定着している中で調理済み食品(HMR、Home Meal Replacement)を購入する傾向が強まっている。韓国国内のHMR市場規模は、2015年時点で2011年の1兆1,067億ウォンに比べて51.1%増の1兆6,720億ウォンとなった。これに歩調を合わせ、HMR関連技術の開発も活発に進んでいる。

韓国特許庁によると、2012年から2016年までの5年間、HMR技術に関する特許出願件数は計431件と、2012年の79件から着実に増え、2016年には98件に達した。
*HMRに関する特許出願件数:79件(2012年)→78件(2013年)→86件(2014年)→90件(2015年)→98件(2016年)

出願人別では、個人が258件(59.9%)で最も多く、次いで企業が122件(28.3%)、教育機関が29件(6.7%)、公共機関が22件(5.1%)の順で、特許出願のほとんどは個人や企業によるものだということが明らかになった。内外国人別では、韓国人が429件で多数を占めており、外国人は2件に過ぎなかった。 技術別では、単純加熱などの調理過程を経て摂取できるインスタント食品が296件(68.7%)、加熱調理過程を経ずに、そのまま摂取できる即席摂取食品が135件(31.3%)であった。

インスタント食品に関する特許出願件数は、2012年には44件に過ぎなかったが、その後、増え続けて2016年には78件に至った。これを品目別にみると、冷凍食品が112件(37.8%)と最も多く、次いでレトルト食品が65件(22.0%)、乾燥食品が55件(18.6%)、パックご飯が43件(14.5%)の順であった。主に流通過程での変質を防ぐために保存技術を加えた特許が出願されていることが分かった。
*インスタント食品の特許出願件数:44件(2012年)→49件(2013年)→57件(2014年)→68件(2015年)→78件(2016年)

お弁当、海苔巻き、おにぎりに代表される即席摂取食品に関する特許出願件数は、2012年の35件から2016年には20件へと減少傾向を見せている。こうした中、最近は、即席摂取式エネルギーバーと羊羹などに関する特許が出願されており、その種類も多様化していることが分かった。
*即席摂取食品に関する特許出願件数:35件(2012年)→29件(2013年)→29件(2014年)→22件(2015年)→20件(2016年)

HMRの容器および調理機器に関する技術の出願件数は、5年間で計49件あったが、2012年8件、2013年2件、2014年4件、2015年16件、2016年19件と徐々に増加傾向を見せている。容器および調理機器関連の代表技術では、さまざまな種類の調理済み食品を一つの機器で調理できる調理器、使い捨て容器内の磁場を誘導して加熱できる誘導加熱装置、即座調理が可能なHMRの自動販売機などがある。

特許庁の関係者は、「1人世帯の増加に伴い、簡単かつ衛生的なHMRを求める人が増えているため、今後、この分野の技術開発がさらに進むだろう」と見通した。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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