知的財産ニュース 特許庁、スリランカと知的財産分野での協力を強化

2017年12月10日
出所: 韓国特許庁

韓国特許庁は現地時間12月7日(木曜)、スリランカのクリヤピティヤ(Kuliyapitiya)に適正技術(*)研究センターを開所した。適正技術研究センターの設立は、韓国との国交正常化40周年を迎え、スリランカのマイトリーパーラ・シリセーナ(Maithripala Sirisena)大統領が国賓として韓国を訪れたことと共に韓国政府の「新南方政策」の具体的な実現に貢献するとみられる。

*適正技術:地域の環境や特性を考慮して考案された技術で、最先端技術に比べて低コストで実現することができるため最貧国と途上国に適した技術である

適正技術研究センターの開所式には、韓国側からは韓国発明振興会経営企画長が、スリランカ側からはSusil Premajayanthaスリランカの科学技術研究部長官、Gamini Wijesingheココナッツ開発庁長など約200人が出席した。

主なココナッツ生産国であるスリランカはココナッツの消費量が多いが、ココナッツオイルの抽出技術レベルが低いため、輸入に依存しているのが現状である。そのため、スリランカ政府は現地状況に合うココナッツオイルを抽出する適正技術の開発を韓国特許庁に要請した。

これを受け、特許庁は韓国発明振興会と共同で権利の存続期間が切れた特許情報を活用することで普及用ココナッツオイル抽出器を製作して普及し、ココナッツオイルの商品化に向けてブランド開発を進めた。

特許庁は、スリランカの科学技術革新調整事務局を含む6つの機関と業務協約を結ぶことで適正技術研究センターを通じ、スリランカのココナッツオイルの品質を向上させる研究を続けるための基盤を整えた。

特許庁の国際知的財産共有事業は、援助を受ける国が自主的に特許情報を利用して適正技術を開発できる力を育てることで、適正技術1件当たり約1億ウォン程度の予算で、大きな効果を上げることができる途上国支援モデルである。また、韓国の中小企業の技術が活用されるため、今後、韓国企業のスリランカへの進出における架け橋になる見通しである。

スリランカの科学技術研究部のSusil Premajayantha長官は「今回のプロジェクトを通じ、スリランカにとって欠かせない機械製作からブランドを通じたビジネス戦略の構築に至るまで、スリランカのココナッツ産業の発展に役立つだろう」とし「今後も韓国政府と協力し、韓国のノウハウを伝授してもらいたい」と述べた。

特許庁多国間機構チームのチーム長は「知的財産権制度は技術革新に貢献するだけでなく、相対的に遅れている地域にとって切実に必要な適正技術の提供に役立つだろう」とし「特許庁の国際知的財産共有事業を通じ、知的財産が人類すべてのために活用できるモデルを発展させていきたい」と強調した。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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