知的財産ニュース 日韓・日中韓長官会合が開催される
2017年12月7日
出所: 韓国特許庁
韓国特許庁長は12月6日、済州島の新羅ホテルで中国国家知識産権局長(申長雨、SHEN Changyu)、日本特許庁長官(宗像直子、MUNAKATA Naoko)と第17回日中韓長官会合および第29回日韓長官会合を開催し、日中韓の知的財産関連の懸案と共通の関心事について議論した。
特に、今回の会合で日中韓特許庁の新しい「協力体系(cooperation framework)」が1年余りの議論された末に採択された。「協力体系」とは3庁の協力の範囲や形態を規定したもので、このようなものが文書化されたのは今回が初めてである。
3庁の長官は、第4次産業革命の時代に対応する知的財産権の保護策について共同で研究し、日中韓の特性に合った新たな協力の方向も模索することで合意した。
3庁は知的財産をめぐる環境が急変していることを反映した、新たな協力の方向が必要だと認識していたが、これに対する議論は進まなかった。
今回の長官会合で3庁は、グローバル知的財産制度の発展に向けて責任ある役割を果たし、3カ国の知的財産権の協力をめぐるアイデンティティも確立していく必要があると共感した。これにより、「協力体系」が採択され、「協力方向設定の推進」の合意も導出された。 *日中韓特許庁は全世界の特許出願件数の56%、デザイン出願件数の76%を占めている
今回の会合では日中韓3庁の協力体を意味する「TRIPO」という名称が初めて使われ、「TRIPO」の協力を象徴する新しいエンブレムも採用された。
韓国特許庁長は「特許制度の導入や発展はこれまで欧州と米国が主導してきたが、今後は東アジアを注目しなければならないだろう」と前提し「日中韓の3庁が新たな協力体系を採択し、新たな協力の方向を模索することで合意したのは、知的財産分野における3庁の協力を未来へ導く、新しい転機になるだろう」と評価した。
この日の午前に開かれた日韓長官会合で両庁は、人工知能の特許行政への適用と具体的な協力の範囲を設定することで合意した。これは、世界的に増え続ける知的財産の出願と第4次産業革命の技術の出現に先んじて対応するために両庁が具体的な協力作業に着手したと考えられる。
7日(木曜)の午後には、済州市メゾングラッドホテルで3庁の長官と知的財産専門家が参加した中で、出願人、教授、弁理士業界などの関係者を対象に「第4次産業革命に対応する3カ国の知的財産権戦略」をテーマにした日中韓ユーザーシンポジウムが開催される。
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