知的財産ニュース 特許庁、「知識財産未来戦略委員会第2回フォーラム」を開催

2017年11月30日
出所: 韓国特許庁

韓国特許庁は11月30日(木曜)午後2時、シェラトンソウルパレス江南ホテル(グランドボールルームホール)で「知識財産未来戦略委員会第2回フォーラム」を開催し、医療・バイオ分野における知的財産権法および制度の改善策と、技術の発展に伴う知財権関連の倫理イシューを議論した。

知識財産未来戦略委員会は第4次産業革命時代の知的財産法制度の改善策を模索するために官民の専門家からなっている。今年7月に発足し、10月に人工知能、3Dプリンティングなどの技術分野について第1回フォーラムを開催した。

今回の第2回フォーラムでは、第4次産業革命におけるもう一つの中核技術である医療・バイオ、ロボット分野などに対する現行の知的財産権法制度の現状や問題点、改善策を議論した。

バイオ分野では「医薬品用途発明」(*)の活性化および関連産業の発展に向けた特許審査基準について議論した。これは、現行の医薬品用途発明の特許審査基準が外国に比べ、やや厳しい側面があるという一部の専門家の意見を考慮したものである。

*医薬物質の薬理効果を明らかにし、当該物質が特定の疾患に医薬としての効能を発揮する、新たな用途を対象とする発明

続いて倫理的感受性の欠如により、安全・セキュリティ上の問題が懸念されるロボット・自動運転車の発明(*)などに対する特許適格性および審査基準づくりの必要性についても討論を行った。

*個人の日常情報を収集・保存する個人秘書ロボット、衝突が予測される状況で運転者と歩行者のどちらかを選択するアルゴリズムを備えた自動運転車など

今年1月、欧州連合が非常時に動作を停止することができる強制終了アルゴリズムであるキルスイッチ(Kill Switch)をロボットに搭載するよう義務づけるなど、海外ではすでに技術開発に伴う倫理問題に対する社会的議論が始まり、これに対する検討が必要な状況である。

特許庁の次長は「今回のフォーラムが第4次産業革命の肯定的な側面以外にも、技術の進歩により生じかねない問題を考えてみる契機になった」とし「産業・技術別の特性と特許業界の競争力、技術革新に伴う社会的問題など、さまざまな側面を考慮した知的財産権制度の改善策を講じる計画だ」と語った。

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