知的財産ニュース 特許庁、ベンツ・BMWなどの偽造自動車ホイール販売組織を検挙
2017年9月19日
出所: 韓国特許庁
韓国特許庁の商標権特別司法警察(以下、特司警)は、ベンツ・BMW・アウディなど高級外国製自動車の偽造ホイールを国内に持ち込んで流通・販売を行ったキム氏(55)ら2人を商標法違反の疑いで拘束したと19日に明らかにした。
また、キム氏などに偽造自動車ホイールを大量購入し、市中に流通させたイ氏(54)ら販売業者6人は書類送検した。
特司警によると、流通販売者であるキム氏は2015年2月から2016年11月まで大邱で自動車部品販売店を運営し、偽造ベンツ自動車ホイールなど約8,300点(110億ウォン相当)を保管し、流通させた疑いが持たれている。
また、他の流通販売者パク氏(55)は2014年3月から2017年5月まで京畿道高陽市で自動車部品販売店を運営し、偽造ベンツ自動車ホイールなど約2万4,000点(200億ウォン相当)を保管し、流通させた惑いが持たれている。
キム氏とパク氏は、自動車のホイール、タイヤなどの部品専門店を約20年間余り運営し、確保した全国500カ所余りの自動車整備業者などを流通・販売網として活用していたことが分かった。
特司警は2016年11月と2017年6月にキム氏などが販売するために保管していた偽造自動車ホイールとホイールキャップなど、約3万2,000点(300億ウォン相当)を全て押収した。
高級外製車ホイールと商標(エンブレム)を半組み立て状態で輸入して取り締まり網を潜り抜け
流通販売者は偽造自動車ホイールとベンツ、BMWなどのエンブレムを別々に韓国国内に搬入することで、捜査機関の取り締まりを潜り抜けてきた。
まず、中国と台湾で製造されたホイールを一般ホイール製品として税関に輸入申告した。その後、偽造されたベンツ、BMWなどのエンブレムを別の航空貨物として韓国国内に搬入した後、自動車整備業者および部品販売店で組み立てる方式で市中に流通させたことが明らかになった。
定価の10%水準で販売、主な顧客は自動車チューニング族
彼らは偽造されたホイールを定価の10%水準である約70~80万ウォンの価格で、インターネット販売サイトと電話を通して注文を受け、流通させた。海外勢の有名自動車の正規商品自動車ホイールは自動車1台当り(1セット、4個) 700~800万ウォンで取り引きされていると明らかになった。
正規商品と価格差が大きい偽造ホイールは、自動車の個性と洗練された美を重視するチューニング族が中心になり、正規商品ではないのを分かりながら買っている場合が多いという。
自動車ホイールはタイヤとともに車両の重量を支えて運行時に発生する駆動力と制御力を伝達する重要な役割をするが、安全性が検証されていない偽造自動車ホイールを装着して車両を運行する場合、ホイール自体の破損や車両転覆などの事故のリスクが大きいことが分かった。
特許庁産業財産調査課の課長は「偽造自動車ホイールは安全に必要な品質・性能テストを経ずして運転者の安全・生命を担保することはできないため、これを製造・販売する行為は非常に重大な犯罪」とし「今後も国民の安全および健康と直結する偽造商品流通行為に対しては取り締まりをより一層強化していく予定だ」と述べた。
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
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