知的財産ニュース インプラントなど口腔に関する商標出願件数が増加
2017年6月8日
出所: 韓国特許庁
6月9日は「口腔保健の日」だ。体の宝石といわれるほど、健康な歯は五福の一つである。長寿時代を迎える中で歯の管理に対する関心が高まり、歯磨き粉や歯ブラシなど口腔(歯)に関する商標出願件数も増え続けている。
過去4年4カ月間(13年~17年4月)の口腔関連商品の出願動向について韓国特許庁が行った調査によると、2013年の8,115件から2016年には1万135件へと24.9%増加したことが分かった。さらに今年4月末までの出願件数は3,654件となり、今年も昨年の出願件数を上回る見通しだ。
4年4カ月間出願された商標件数、計3万9,740件のうち最も多いのは、歯磨き粉と歯ブラシ(3万4,530件、86.9%)である。これは、歯の状態を考慮した歯ブラシや機能性の高い歯磨き粉などの商品開発が盛んに行われたことや、歯の健康に対する消費者の関心が高まったことによるものとみられる。
次いで、歯科用補綴物、リテーナーなどは2,648件(6.7%)、歯科用充填剤などは2,213件(5.6%)となっている。
特に、割高なインプラント関連商品は2013年には51件にすぎなかったが、2016年には115件となり、大幅に増加(125.4%)した。この背景には韓国企業の技術発展や施術の大衆化があると分析できる。
出願人の動向を見ると、計3万9,740件のうち、中小企業の出願件数が1万441件(26.4%)と最も多く、次いで大手企業(9,126件、23.1%)、中堅企業(7,767件、19.7%)の順だった。
とりわけ、中小企業の出願件数は2013年の1,442件から2016年には3,367件へと133.4%も増えた。一方、中堅企業と大手企業ではそれぞれ52%(2013年2,454件、2016年1,182件)、28%(2013年2,319件、2016年1,670件)減少し、この分野では中小企業の勢いが増していることが特徴だといえるだろう。
商標登録件数においては、計3万1,310件のうち、大手企業の件数が9,042件(28.8%)と最も多く、次いで中堅企業(8,046件、25.7%)、中小企業(6,675件、21.3%)の順だった。
中小企業は登録件数では大手企業に比べて少ない。しかし、伸び率(62%、2013年1,317件、2016年2,135件)では大手企業(29%、2013年1,587件、2016年2,052件)よりはるかに高いことが分かった。このように口腔(歯)関連産業では中小企業が着実に伸びていることが明らかになった。
特許庁商標デザイン審査局長は「寿命が伸びる、いわゆる100歳時代を迎え、今後健康に深く関わる商品の商標出願件数は増え続けるだろう」とし「関連商標権の早期確保が事業成功における前提要件になる」と強調した。
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