知的財産ニュース 改正デザイン審査基準、1月1日付で施行

2016年12月28日
出所: 韓国特許庁

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韓国特許庁は、デザイン審査において創作性が認められる範囲を拡大する一方、デザインの保護対象を拡大することを主な内容とするデザイン審査基準を設け、1月から施行すると発表した。
これまで審査官は、六面体、円柱等の幾何学的図形のように誰もが知っている形状や模様のデザインの場合、簡単に創作することができると判断し、別途の証拠の提示なしに創作性の欠如によりデザイン登録を拒絶することができた。

これによって装飾を最小化し簡潔さを追求するミニマリズムデザイン(Minimalism Design)※は、物品分野に関係なく、単純でありふれたデザインという理由で登録を受けられない傾向があった。

※機能や装飾的なものを可能な限り除去して単純さと簡潔さを追求するデザイン様式

しかし、今回の改正で当該デザインが属する業界でありふれた創作手法や表現方法であることが明らかな場合でない限り、審査官が必ず拒絶根拠となる証拠資料を提示するようにすることで、容易創作判断がより客観的かつ慎重に行われるようにした。

また、以前は一つの図面に二つ人以上の部分が離れて表現された場合、各部分が全体として一つの機能を行わないと1デザイン※として認められなかったが、全体ではなく各部分として一つの機能を遂行する場合でも1デザインとして認められるように改正した。

※デザイン登録出願において、一つの図面には一つのデザインのみ示さなければならない。

また、デザインとして登録を受けようとする物品が粉や粒の集まりからなっている場合でも角砂糖、固形セメントのように固形化して形を成している場合には、物品として認めることにした。

※デザインの保護対象となる「物品」は一定の形を成していてその外観が具体的に特定されなければならないため、以前は粉や粒の集まりに過ぎないものは、すべて物品として認められなかった。

この他に、機能的特徴が強い自動車用部品の場合、類否判断時に類似の幅を比較的狭くみるようにして先行デザインと違う部分が一部あれば、デザイン登録を受けられるようにした。

特許庁のチェ・ギュワン商標デザイン審査局長は「今回の審査基準の改正により、創作性が認められる範囲が実質的に拡大され、デザイナーが丹念に作り上げたデザインが登録を受けられる道が開いた。これからも特許庁は、様々な形態のデザインが保護されるよう保護の範囲を広げていくだけでなく、出願人の利便性を高められる改善事項を見つけ出し、審査基準に積極的に反映する計画だ」と述べた。

デザイン審査基準一部改正の主要内容については、下記にてご覧ください。
→ design(1).pdfPDFファイル

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