知的財産ニュース 韓国バイオシミラー業界、特許紛争への備えが必要

2016年8月30日
出所: デジタルタイムズ

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国内バイオシミラー医薬品の競争力が高いことが分かった。

サムジョンKPMGは「バイオ医薬品市場の機会とグローバル競争力確保策」というテーマで産業動向報告書である「イシューモニター第59号」を発行したと30日に発表した。

同報告書によると、グローバル製薬産業の軸が化学合成医薬品からバイオ医薬品へと移動しつつあり、世界的に高齢化が進み、抗がん剤、リウマチ関節炎治療剤等、バイオ医薬品の需要が増加している。、また、2020年のグローバルバイオ医薬品の市場規模は2,780億ドルに達する見通しだという。

特に、世界の製薬市場に占めるバイオ医薬品の売上の割合は2006年14%から2014年23%に増加しており、2020年には27%に達すると予想した。国内のバイオ医薬品市場規模は、製薬市場全体の10.5%に過ぎないが、2015年に初めて輸出が輸入を上回り黒字になる等、今後バイオ医薬品は新しい輸出エンジン産業として注目を集めていると説明した。

報告書は、現在8つのブロックブロックバスター級のバイオシミラー開発競争の中で、国内企業は7つの製品でファーストムーバー(First Mover)競争者グループに含まれていると明らかにした。また、2020年まで、欧州と米国で8つ(ヒュミラ、エンブレル、レミケード、アバスチン、ハーセプチン、ランタス、リツキサン、ニューラスター)のブロックバスター級のオリジナルバイオ医薬品の特許満了が予定され、グローバルバイオシミラー市場の開花が見込まれるとし、バイオシミラー競争において今後5~6年で勝者が決まり、市場の成長が鈍化する可能性が高いと判断した。したがって、韓国企業が持続可能な成長を維持するためには、バイオシミラーでグローバル製薬市場での地位、経験、販売網を確保した後は、オリジネーターを改良したバイオベターとバイオ新薬で開発領域を拡大する必要があると主張した。

また、従来の医薬品(オリジネーター)開発会社とバイオシミラー開発会社での特許紛争は予想されていたものだとし、バイオシミラー開発会社は、特許紛争に備え開発段階からオリジネーターにかかっている数十種に及ぶ特許の種類と存続期間を綿密に検討する一方で、特許紛争の発生時には、他のバイオシミラー開発会社との戦略的協力を通じて共同で対応する方法を考慮する必要があると強調した。

イ・ジェウン記者 jwlee@dt.co.kr

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