知的財産ニュース 特許庁、「2015年知財活動実態調査」結果を発表

2016年2月1日
出所: 韓国特許庁

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2015年企業及び公共研究機関(大学含む)の知的財産関連インフラ構築は改善され、研究開発(R&D)において特許情報を活用する等、戦略活動は活発化していることが明らかになった。

特許庁と産業通商資源部貿易委員会は「2015年知的財産活動実態調査」の結果を発表した。

2015年知的財産活動実態調査の概要

調査期間
2015年7月16日~10月15日(3ヵ月間、韓国知的財産研究院遂行)
調査対象
知的財産活動実績のある企業及び公共研究機関(以下、公共研)
産業財産権出願2件以上(2012~2013年)及び登録1件以上(2010年~2014年)である25,415の企業及び公共研のうち4,608ヵ所を抽出及び調査
※企業4,359社、公共研249ヵ所
※※大企業・中堅企業・中小企業別規模を考慮して標本抽出
最終回答
1,237ヵ所(企業1,041社、公共研196ヵ所)

今回の調査結果、企業と公共研ともに知的財産担当組織及び人員の割合が前年に比べ大幅に増加し、
先行特許(技術)調査、予備評価及び実査活動、職務発明制度の活用等、知的財産の創出、保護及び活用に向けた戦略的な活動も全般的に強化されたことが明らかになった。
ただし、特許活用比率の場合、公共研は増加傾向であるのに対し、企業は前年に比べ小幅減少した。

主な調査結果

企業のインフラ保有

知的財産担当組織を保有している企業の割合は、2015年75.1%と、前年比5.8ポイント増加し、
専門担当者を保有している割合も2015年20.6%と、前年比7.8ポイント増加した。
※担当組織保有比率(企業):69.3%(2014年)→75.1%(2015年)
※専門担当者保有比率(企業):69.3%(2014年)→75.1%(2015年)

企業の知的財産先行活動

研究開発の企画段階において先行特許(技術)調査を実施する企業の割合は2015年75.1%と、2014年の74.2%に比べ0.9ポイント増加し、
出願等に先立って予備評価を行う企業の割合は2015年39.3%と、2014年29.7%に比べ9.6ポイント増加し
企業の保有する知的財産に関する実査評価遂行の割合は2015年38.4%と2014年27.9%に比べ10.5ポイント増加した。

企業の職務発明制度の導入

職務発明補償規定を保有及び活用する企業の割合は55.6%と、前年比4.1ポイント増加した。
※職務発明補償制度の導入割合(企業):51.5%(2014年)→55.6%(2015年)

企業の知的財産活用

企業の保有特許全体に占める活用特許の割合は、2015年77.4%と、前年比4.8ポイント減少した。
※特許の活用比率(企業):81.6%(2014年)→77.4%(2015年)

公共研のインフラ保有

公共研の知的財産担当組織を保有する比率は2015年96.1%と前年比2.1ポイント増加し、専門担当者の保有比率も2015年51.2%と、前年比2.4ポイント増加した。
※担当組織保有比率(公共):94.0%(2014年)→96.1%(2015年)
※専門担当者保有比率(公共):48.8%(2014年)→51.2%(2015年)

公共研の知的財産先行活動

先行特許(技術)調査を実施する公共研の割合は2015年68.4%と、前年比4.0ポイント増加し、
予備評価を行う割合は61.8%と、実査評価比率は59.4%と、それぞれ0.9ポイント、5.7ポイント増加した。
※先行特許(技術)調査遂行比率(公共):64.4%(2014年)→68.4%(2015年)
※予備評価遂行比率(公共):60.9%(2014年)→61.8%(2015年)
※実査評価遂行比率(公共):53.7%(2014年)→59.4%(2015年)

公共研の職務発明制度の導入

職務発明補償規定を保有及び活用する公共研の割合は94.8%と、前年比1.3ポイント増加した。
※職務発明補償制度の導入割合(公共):93.5%(2014年)→94.8%(2015年)

公共研の知的財産活用

公共研の保有特許全体に占める活用特許の割合は、2015年32.9%と、前年比0.8ポイント減少した。
※特許の活用比率(公共):32.1%(2014年)→32.9%(2015年)

評価及び活用

今回の調査結果からは、知的財産の効果的獲得と活用が機関の競争力に重要な役割を果たすという認識の下で民間及び公共分野部門ともに関連インフラの拡充に努め、知的財産の創出・保護・活用に向けた取り組みを次第に強化していることがうかがえる。
特に、企業の職務発明制度の導入率が上昇し続けた背景には、従業員の権利意識の向上もあるが、技術及び人材流出を防止する職務発明制度に対する企業側の認識が高まったことがあると分析される。

特許庁のキム・テマン産業政策局長は、「今回の実態調査結果を踏まえ、企業が保有する知的財産の質的水準を高めるとともに特許の活用及び事業化を促進するために様々な努力を続けていく方針だ」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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