知的財産ニュース 中小企業中央会、知財権活用実態調査結果を発表

2016年8月7日
出所: 中小企業中央会

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中小企業中央会が7月11日から22日まで、中小企業177社を対象に「中小企業知的財産権活用の実態調査」を実施した結果、
韓国の中小企業が保有し、又は出願中の知的財産権は39.3件(保有35件、出願中4.3件)で、知的財産権が売上に普通以上の影響を及ぼすと回答した中小企業は74.0%に上った。

しかし、別途の専門人材・組織を通じて知的財産権を管理する中小企業は9.6%に過ぎず、75.7%に達する中小企業が兼任組織・人材により知財権を管理していることが分かった。

知財権の侵害等、紛争を経験した中小企業も17.5%に達しており、このうち41.9%は訴訟・紛争等で経営負担が増えたと答えた。

特に、売上300億ウォン以上の中小企業の26.4%、従業員数100人以上の中小企業の23.4%が紛争を経験したことが分かり、企業規模が大きくなるほど知的財産権紛争が多くなるものと分析された。

紛争を経験した企業は「警告状の発送等の是正要求」で対応したという回答が51.6%で最も多く、「民・刑事訴訟等、強力な司法救済の申請」で対応する企業が29.0%でその次となった。

また、紛争の対応時に最も困難を感じたものとしては、48.4%の企業が「過度な費用と複雑な手続き」を挙げた。

図1:知的財産権侵害の認識後の対応手段、図2:知的財産権侵害の対応時の隘路事項

一方、知的財産権に係る政府及び関係機関の支援策を活用した経験がある企業は21.5%に止まったが、支援策に対する満足度は比較的高いことが分かった。

特に、最も満足度が高い分野は「金融・事業化」(5.46/7点)分野で、次いで創出・権利化」(5.45/7点)、「教育・コンサルティング」(5.00/7点)の順だった。

しかし、支援策を活用したことがない78.5%の中小企業の場合、支援策を活用しなかった理由として「利用したいが、どの機関を利用すればいいか分からなくて」との回答が(32.4%)最も多く、これに対する改善策が必要であることが分かった。

カン・ヨンテ黄色い傘控除事業本部長は「知的財産に係る施策は予算が8兆ウォンに達しており、創出(R&D)・権利化・金融・紛争予防等、多様な分野にわたってきめ細かく設計されているが、膨大な内容と複雑な手続きで中小企業にとってアクセスしにくいのも事実だ」とし、

「中小企業も知的財産権の重要性を十分認識しているが、大手企業のように専門人材や組織を備えることが現実的に容易ではないだけに、政府の支援策が大きな助けになると思われる。中小企業がより容易に希望する支援策にアクセスできるよう、改善策作りが切実だ」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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