知的財産ニュース 特許庁、AI知財権に関する研究を開始

2016年8月1日
出所: 電子新聞

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人工知能(AI)がコーディングしたソフトウェア(SW)の特許権は、誰に帰属されるのだろうか。

AIが様々な産業分野に適用されていることに伴い、特許権や著作権問題等AIに関する法的対応の必要性が高まっている。政府がAIの知的財産権に関する中長期法的問題の研究に乗り出した。

8月1日、特許庁の関係者は「今はAIが小説や絵を創作するくらいだが、中長期的に見たとき、AIが発明した結果物を巡って特許問題も発生し得る。事前に問題を検討して対応策を作るために4月から内部にTF(タスクフォース)を設けて論議中である」と話した。

特許庁は、専門家の分析が必要だと判断し、「AI分野の産業財産権イシューの発掘・研究」というテーマの研究を最近発注した。専門家と共同で予想されるAI関連法的争点を検討する。研究結果は、必要に応じて知的財産権政策の策定に反映する。

特許庁の関係者は「AIを発明者として認めるかどうか、発明した結果物に特許権を与えるかどうか等、研究が必要な事案が多い。研究結果が出れば、政策に反映する基礎資料として活用し、必要に応じては関連省庁と共有して総合的に議論する予定だ」と付け加えた。

小説や絵等、AIによる創作活動が活発化しており、知的財産権や著作権等関連法律の検討の必要性が提起されている。

ソフトウェア政策研究所は今年6月「人工知能と法的争点」という報告書を出し、「知的財産権関連問題は、現場で直面した問題だ。AIによって作られたものも業務上著作物や職務発明の範囲に含めるかについて、考えなければならない」と分析した。

現行法上、著作権を含む知的財産権は人間が創作した結果物に限定される。このため、AIが作った結果物を誰もが自由に利用する問題(不正競争行為)が発生すると研究所は指摘した。法律の基準が明確でないため、検討が必要である。

特許庁だけでなく、著作権やAI産業の関連省庁においても論議が始まっている。

著作権政策を担当する文化体育観光部は、著作権法全面改正を準備する中でAI分野について議論している。文体部の関係者は「AIだけでなく、ビックデータ、増強現実等の様々な新技術をカバーするデジタル時代の著作権法改正案を準備中だ。AI分野も専門家らとともに著作権法の改正が必要な部分を探している」と話した。

未来創造科学部は最近、知能情報技術推進団の設立を準備中である。AIとICBM(IoT・クラウド・ビッグデータ・モバイル)等新技術の分析と中長期国家戦略の策定を担う。

未来部の関係者は「まだ推進団内の業務分担ができていない。(AI著作権、知財権等) 今後議論が必要な事案は省庁間の協議を通じて決める方針だ」と話した。

キム・ジソン記者 river@etnews.com

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