知的財産ニュース ミリメートル波に関する特許出願が増加

2016年3月16日
出所: 韓国特許庁

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今年4月、2.1 GHz帯域の周波数競売で移動通信会社各社は、数兆ウォンの落札代金を使用すると予測される。移動通信会社各社は、膨大な費用を甘受してでもサービス品質で優位を占めるため、周波数の確保競争を繰り広げられている。このような状況で周波数の確保競争に解放できるミリメートル波帯域に関する関心が高まっている。

ミリメートル波(ミリ波)とは、波長の長さが数ミリメートル(mm)で、周波数の範囲が30 GHz以上300 GHz以下の電磁波を総称する。このうち、特に周波数の範囲が57 GHzから64GHzであるミリ波は現在、韓国の周波数分配表上、別途の用途が指定されておらず、当該周波数帯域の広い帯域幅を活用した超高速通信が可能なため、関連技術を先取りするための特許出願が増加している。

特許庁によると、2010年以前は20件前後だったミリ波の関連技術の出願が2010年以降は2倍以上増加したという。これは、次世代超高速データ通信の有望技術としてミリ波技術が産学研の高い関心を集め、それによって関連団体の標準化作業も活発になったためだ。

出願人別の出願動向を分析してみると、外国企業が37%と最も高い割合を占めており、次いで研究所が29%、大企業と大学がそれぞれ12%を占めており、未来の源泉技術といえるミリ波技術を先取りするための国内外の企業及び産学研の間での激しい競争がうかがえる。

出願技術を分析してみると、2010年以前はほとんどミリ波帯域の電波送受信機及び部品技術にとどまっていたが、2010年以降はアンテナビーム[1](beam)の精密制御、ハンドオーバー[2]、電力低減等、通信の重要技術が集中的に出願されている。

特許庁の関係者は「ミリ波の関連技術は超広帯域に起因した超高速データ伝送を可能にする、飽和状態にある電波資源の最後ブルーオーシャンであって、源泉技術を確保するための国内外企業の激しい競争が予想されるだけに、国家競争力の強化に向けた関連技術の源泉特許の確保が切に求められる」と強調した。


注記

[1]ビームは通信に使用される電波の放射パターンを意味し、減殺が多くミリ波帯域の特性上、通信のためのビームの精密制御は不可欠である。
[2]サービスされていた移動端末が特定基地局のサービス地域を外れた場合、端末機が周辺の基地局の新たなチャンネルに自動同調され、通信状態を持続的に維持させる技術。

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