知的財産ニュース 特許庁、営業秘密管理に関するガイドブックを発行

2016年7月5日
出所: 韓国特許庁

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最近、技術流出による韓国企業の被害が増加しており、営業秘密保護の重要性がますます高まっている。これに受け、特許庁は『営業秘密管理のための標準書式活用ガイド』(以下標準書式ガイド)を発行する等、中小企業の営業秘密を保護するための支援を積極的に推進していく計画を明らかにした。

中小企業A社は、中核人材が競合会社に転職することによって、営業秘密の流出被害を受けた。同様に、元従業員によって技術が流出されたB社は、社内セキュリティ管理規定の制定や秘密保持誓約書の徴求等を通じて営業秘密保護に取り組んだにもかかわらず、訴訟で敗訴した。当該書式に営業秘密の定義について具体的に明記されていなかったためだ。

営業秘密流出のほとんどが元・現従業員によって行われており、裁判所では営業秘密に該当するか否かを判断する際、秘密保持誓約書等を徴求したかを重要な要素として検討している。したがって、営業秘密を守るためには秘密管理を強化し、秘密保持誓約書、競業禁止約定書、社内セキュリティ規程等を通じて役員・社員を対象に具体的保護義務を課すことが最も重要だ。

それでも企業で既存使われていた書式は保護対象を具体化する必要性を見過ごしていたり、内容があまりにもシンプルなため入社者・退社者、プロジェクト参加者等、対象別に考慮すべき特異点が反映されていないケースが多かった。

今回構築された営業秘密標準書式は、関連判例だけでなく、韓国企業の経営環境、業種別特性等を最大限反映して実効性のある営業秘密保護手段を提供しており、解説も付いていて企業の実務者が活用しやすく構成した。

標準書式ガイドは、営業秘密保護センターのホームページから入手できる。さらに、営業秘密保護コンサルティングを申込む中小企業は、営業秘密保護管理システムの設置だけでなく、営業秘密管理書式を含む企業内技術保護の現況点検や改善事項に対するアドバイスも受けられる。

※特許情報院営業秘密保護センター(www.tradesecret.or.kr外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、1666-0521)

特許庁のパク・ソンジュン産業財産保護協力局長は「営業秘密保護書式は、営業秘密の流出を防ぐための事前管理だけでなく、紛争の際にも秘密管理性の立証のために重要な資料となる」と強調し、「標準書式と様々な支援事業を一緒に活用すれば、シナジー効果により技術保護のための安全装置を一層強化できるだろう」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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