知的財産ニュース 自動車ヘッドアップディスプレイに関する特許出願が増加傾向

2016年3月7日
出所: 韓国特許庁

5274

SF映画「アイアンマン」では、最先端の鉄製スーツを着て飛行する主人公・トニー・スタークの目の前に様々な情報が広がる。飛行中に必要な気象情報や飛行速度、障害物や危険物等の情報が仮想スクリーンを通じてリアルタイムで提供される場面を見ることができる。映画でのみ起こるような場面が現実になりつつある。

自動車のフロントガラスに速度、ナビゲーションの案内等、走行情報を表示する装置をヘッドアップディスプレイ(HUD、Head-Up Display)という。

特許庁によると、過去10年(2006~2015年)間の自動車ヘッドアップディスプレイに関する特許出願は計504件と、活発に行われている。

これまでのヘッドアップディスプレイには、ハーフミラー(反射フィルム)を自動車のフロントガラス側の一部に設置し、下段で照射される映像を反射して走行速度や方向指示等簡単な走行情報を提供する方式が主に利用された。

しかし、最近では、自動車のフロントガラスに透明ディスプレイを設置し、フロントカメラやGPS、各種センサー等と連動して走行情報を直接表示する方式が導入されている。

主要出願人としては、現代自動車が53件で最も多く、現代オートローン(33件)、LG電子(28件)、デンソー(日本、22件)の順となった。

一方、出願主体別にみると、韓国人が303件(60.1%)、外国人が201件(39.9%)を占めており、韓国人の中では、大企業(164件、32.5%)、中小企業(81件、16.1%)、個人(31件、6.2%)の順となる。

細部技術別に見ると、ヘッドアップディスプレイ構造及び配置関連技術(172件、34.1%)、光学技術(132件、26.2%)、走行環境認識技術(71件、14.1%)等が多く出願された。

特許庁のキム・ジェムン ディスプレイ機器審査チーム長は「スマートフォン自動車時代を迎え、自動車にIT技術が本格的に取り入れられている。ヘッドアップディスプレイの普及で自動車ディスプレイ市場が大きく拡大するだろう」と予想した。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、柳(ユ)、李(イ)、半田
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195