知的財産ニュース 韓国特許庁に対するシェールオイル関連PCT国際調査依頼が増加

2016年6月13日
出所: 韓国特許庁

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最近、国際原油価格の下落によりオイル生産企業の全般的な収益性悪化にもかかわらず、シェールオイル分野における競争優位を占めるための国際特許出願(PCT出願)は着実に増加していることが分かった。

※新技術によりシェールオイル(シェール層から取り出す原油)、シェールガス等を使用できるようになったことをいい、これらの生産により伝統石油との競争が激しくなった。

こうした中、韓国特許庁はシェールオイルに関する国際特許審査サービスを米国等に輸出していることが注目される。韓国特許庁は現在、米国を始めとする世界14カ国からの国際特許出願を審査できる国際調査[1]機関として活動している。

特許庁によると、過去5年間国際特許出願件数は年平均5.3%増の留まった半面、シェールオイルのボーリング・掘削に関する国際特許出願は2011年1,761件から2015年3,243件と、過去5年間年平均16.5%増えた。

このような国際特許出願は、ハリバートン、ベーカー・ヒューズ、シュルンベルジェ等の北米オイルメジャーが主導しており、これらの会社はシェールオイル関連国際特許出願の約44%について韓国特許庁に審査サービスを要請している。

これにより、韓国特許庁に受け付けられた同分野の国際調査件も2011年602件から2015年1,432件と、年平均24.2%増加している。これを金額に換算すると、韓国特許庁はシェールオイル分野の特許審査サービスを輸出して、海外出願人から年間160万ドル(18億ウォン)に上る手数料を受け取っているという計算になる。

一方、韓国特許庁は去年、海外から計14,885件(国際調査料190億ウォン相当)の国際調査の依頼を受け、海外から受け取った国際調査料のうち、約118億ウォンを国内調査機関に国際調査料として払い「高品質の理工系雇用創出」及び「民間特許情報サービス産業の活性化」に努めている。

特許庁のチャン・ワンホ特許審査企画局長は、「シェールオイル等専門的な分野において、韓国特許庁への国際特許出願の調査・依頼が増加することは非常に歓迎すべきことだ。今後とも国際的に信頼を受ける審査サービスの提供及び雇用創出のために最善を尽くしていきたい」と述べた。


注記

[1] 当該出願の先行技術の有無等を調査するもので、出願人はPCT出願時に一つの国際調査機関(現在、韓国、米国、日本等20の機関がある)を選択することになっている。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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