知的財産ニュース スマートカーのヘッドライトに関する特許出願が増加

2016年6月20日
出所: 韓国特許庁

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夜間運転時の運転手の視野を確保しつつ、対向車の運転手又は歩行者のまぶしさを大幅に減らす「スマートカーのヘッドライト」の特許出願が増加している。スマートカーのヘッドライト(以下「スマートヘッドライト」という)とは、車に設置されたセンサーが他の車や歩行者を感知する場合、必要に応じて自動的にヘッドライトの方向を上・下・左・右へ制御する機能を持つ車のヘッドライトを言う。

特許庁によると、過去10年(2006~2015)間の車のヘッドライトの分野における特許出願全体に占めるスマートヘッドライトの出願の割合は、2006年11%から2015年42%に上昇した。

スマートヘッドライト技術には、ハイビームを下向きに自動制御する技術やコーナリング時にヘッドライトをコーナリングの方向に自動的に回転させる技術がある。まず、ハイビームを自動転換させる技術は、センサーの感知信号に反応してヘッドライトの上部を遮断幕(シールド(shield))で覆ったり、格子模様のLED点光源の上部を消灯する技術が代表的だ。

一方、コーナリング時にヘッドライトを回転させる方式の場合は、ヘッドライト全体を回転させたり、光源を囲んでいる反射板だけを回転させる等、多様な技術が使われている。

この分野の主な出願企業には、車用ヘッドライト専門企業のエスエル社(33.7%)、車部品メーカーの現代モービス社(23.9%)があり、日本の部品メーカーの小糸製作所(8%)、韓国の現代自動車(4.9%)、LGイノテック社(2.7%)等がその後に続いている。

最近、車のハイビームやコーナリング時の過度な光でもめ事になったり、歩行者の安全を脅かす要因となることがあった。業界の専門家らは、スマートヘッドライトが普及すれば、ヘッドライトによる光の公害が大幅に低減され、安全で快適な運転環境が整うと予想している。

特許庁の関係者は「スマートヘッドライトは、運転環境の改善という役割だけでなく、未来自律走行自動車の主な安全運行技術の一つとして認識されている。自律走行自動車市場を取り込むための完成車業界の激しい技術競争に伴い、スマートヘッドライトに関する研究開発及び特許出願がさらに増えるのではないか」との見通しを示した。

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