知的財産ニュース 扶安米、地理的表示証明標章第1号に登録

2016年6月8日
出所: 韓国特許庁

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特許庁は、扶安(プアン)郡の地域特産品「扶安米」について、自治体が直接地域特産品を管理する制度である地理的表示証明標章第1号に登録されたことを明らかにした。

地域特産品の名称(地理的表示)は、「長興しいたけ」のように地域名(長興)と商品名(しいたけ)で構成されており、誰でも使える用語であるため、本来は商標法上保護を受けられないが、

地域特産品の名称が他の地域の商品と区別される特徴と名声があり、その特徴と名声が当該地域の環境と密接に係っていることが証明される場合、例外的に商標法による登録が可能であり、この場合、正当な権利のない者が他地域の地理的表示を無断で使用すると民事・刑事上の責任を負わなければならない。

このような地理的表示は、団体標章又は証明標章制度で保護される、地理的表示団体標章は、当該商品を生産する者が集まって法人を設立し、生産者が規定した使用条件を満たす団体員のみ地域特産物名称を使用する制度のことだ。

地理的表示団体標章制度は2005年商標法に初めて導入されて以来、現在(2016年4月末時点)まで311件が登録されるほど活発に利用されており、地域経済の発展に大きく貢献してきた。

しかし、団体を構成することに困難が多い上(生産者ら間の葛藤により地理的表示登録のための申請手続きを進められなかった場合もある)、ごく一部ではあるが、品質管理を行ったケースもあった。

このような問題点を解決するために、特許庁は米韓FTAを契機に2012年「地理的表示証明標章」制度を導入した。同制度は、自治体が権利者になることが可能なため、生産者が法人を構成する必要がなく、自治体が品質基準を規定し、直接又は委託期間を通じて地域特産品を管理するため、より徹底した品質管理が可能になるという長所がある。

このような地理的表示証明標章制度のメリットを認識した扶安郡は地域特産物である「扶安米」について登録を受けるために数年間努力を続けており、その結果、第1号の地理的表示証明標章を獲得することができた。

扶安郡は、「扶安米」という特産品の名称が原則として商標法上登録を受けられないことを認識し、米に関する地域共同のブランドである「千年の技」を開発し、同名称の商標権を2009年に確保した後、「千年の技」ブランドの基づく扶安米のPRを強化し、品質管理を続けてきた。

その結果、扶安米は、2013年から4年連続国家ブランド大賞「地域/農食品ブランド」に選ばれるほど名声と品質を認められるようになった。こうしたことから、扶安郡は特許庁の支援を受け、2014年10月「扶安米」について「地理的表示」登録を申し込み、最近権利を確保した。

特許庁のチェ・ギュワン商標デザイン審査局長は「地理的表示団体標章と証明標章は、それぞれ長所と短所がある。各地域の特徴を考慮し、地域住民の大事な共同資産である地理的表示をどの制度で保護を受けるか、慎重に選択しなければならないだろう」と述べた。

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