知的財産ニュース 電気モーターに関する出願動向

2016年6月21日
出所: 韓国特許庁

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電気モーターは、扇風機や冷蔵庫、洗濯機、エアコン等、身近な家電製品に広く使用されている。また、ハイブリッド車及び電気自動車分野への適用についても関心が高まっている。こうした中、最近電気モーターの分野で話題となっている自動車及び家電製品に関する出願が増加し続けている反面、モバイル機器に使用される振動モーターや列車及び直線移動機器等に使用される線形モーターに関する出願は減少していることが分かった。

特許庁によると、過去5年(2009年~2013年)間の電気モーターに関する特許出願を分析した結果、国内で出願された特許出願は2011年の996件をピークに、徐々に減少しているのに対し、自動車に使用されるモーターに関する出願は、2009年275件から2013年429件と56%増加し、同期間家電製品及び発電機関連出願もそれぞれ46%、25%増加したことが分かった。このデータから次世代自動車や家電製品に使用される電気モーターに係る出願が近年着実に増加していることが確認された。

これに対し、モバイル機器の振動モーターに関する出願は2009年177件から2013年114件と36%減少しており、同期間、列車及び直線移動装置等に利用される線形モーターや伝統的な誘導モーターに関する出願もそれぞれ49%、59%減少した。これは、この分野に適用される電気モーター関連技術はすでに成熟段階に入っていることを示す。

出願人別では、2009年には韓国人が744件(80%)、外国人が191件(20%)を占め、2013年には韓国人が630件(74%)、外国人が222件(26%)を占めており、韓国人による出願が大きな割合を占めている。また、韓国人の出願人ごとの出願件数の割合を見ると、2009年にはLGイノテックが12%、サムスン電機は11%だったのが、2013年にはLGイノテック5%、サムスン電機3%、現代モービス3%、現代自動車2%、ニュモテック2%だった。これは、電気モーター分野の出願人が次第に多角化していることを意味する。

特許庁の関係者は「電気モーターは既存の伝統的な分野だけでなく、次世代自動車や未来の家電製品、ドローン、ロボット等、未来の成長エンジン産業に欠かせない部品だ。これらの産業が競争力を確保するためには、中核部品である電気モーターに関する技術開発及び知財権の確保が重要となる」と強調した。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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