知的財産ニュース 量子ドットを適用したLCDに関する特許出願が急増

2016年9月26日
出所: 韓国特許庁

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ディスプレイは大きくLCD(Liquid Crystal Display)とOLED(OrganicLight Emitting Diode)に区分される。LCDはOLEDに比べ色再現性が相対的に低かったが、量子ドット(Quantum dot)[1]を利用してLCDの色再現性を改善しようとする特許出願が最近活発に行われている。

特許庁によると、LCDに量子ドットを適用した国内特許出願(出願日基準)は、着実に増加している。

量子ドットに関する特許出願(出願日基準)は、過去10年間(2006年~2015年)計268件で、2014年(63件)と2015年(84件)に出願量が急増し、この10年間の出願量の54.8%(147件)を占めている。

出願人別では、韓国人が出願のほとんどである258件(96.3%)を、外国人は10件(3.7%)を出願した。これは、国内企業の量子ドットをLCDに適用するために着実に技術開発を進めてきたことを裏付ける。

多出願の順位では、サムスンディスプレイが81件(30.2%)、LGディスプレイ40件(14.9%)、サムスン電子38件(14.2%)、LGイノテック29件(10.8%)、LG電子25件(9.3%)の順となる。

量子ドットがLCDに実装される方法によって分類すると、
フィルムタイプが159件(59.3%)、チューブタイプが62件(23.1%)、パッケージタイプが26件(9.8%)、カラーフィルターに適用されたタイプが21件(7.8%)出願された。

出願件数が最も多いフィルムタイプは、導光板の上に量子ドットフィルムを配置するものであり、従来のLCD工程を適用しやすく、多様な大きさの画面を実現することに適するため、ディスプレイ会社が好む方法として知られている。

特許庁のキム・ジェムン ディスプレイ機器審査チーム長は「量子ドットを利用すれば、色純度と光安定性の高い光を得ることができる上、LCDだけでなく、OLEDにも適用できるため、最近ディスプレイ業界に活力を吹き込んでいる]と話した。


注記

[1] 量子ドットとは、光を照らしたり電流を供給したときに、同じ物質であっても粒子の大きさによってそれぞれ違う長さの光の波長を発生させ、多様な色を出すことができる半導体ナノ粒子のことを言う。

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