知的財産ニュース 特許手数料返還制度、4月28日より施行

2016年4月28日
出所: 韓国特許庁

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起業初期のA社は、新たに開発した製品の技術、デザイン、標章を知的財産権として保護を受けるために、特許庁に特許、デザイン、商標の登録出願をしたが、審査官は拒絶決定(査定)を下した。審査官の決定に納得が行かなかったA社は特許審判院に審判を請求し、その結果、拒絶決定が覆された。A社は、審査官の判断ミスのせいで、しなくても良かったはずの不要な審判をしたのだから、審判手数料を返してほしいと特許審判院に要請したが、法的根拠がないため返すことはできないとの回答が返ってきた。しかし、これからは審判手数料の返還を受けることができるようになる。

特許審判院は、4月28日の審決より、商標・デザイン審査官の拒絶決定が審判段階で覆される場合、請求人に審判請求料の全額を返還することを明らかにした。6月30日からは特許・実用新案分野においても同様に適用される。

これまでは、審判請求を取り消した場合、又は請求人の帰責がないのに審査官の拒絶決定が覆された場合等においても、既に納付した手数料を返さなかったため、国民から不満の声があった。特許審判院は、規定改革申聞鼓に上がってきた国民の提案を受け入れ、国民の立場に立って、関連制度を改善することにした。改正された商標法、デザイン保護法は4月28日から、特許法と実用新案法は6月から施行される予定だ。

今回の改正により、請求人は、拒絶決定が覆される場合は、納付した審判請求料全額について、審理終結前に審判請求を取り消す場合は審判請求料の50%について返還を受けられるようになる。オンライン(www.patent.go.kr-手数料管理-手数料返還)又は郵便・訪問による申込みが可能。

特許審判は1件当たり平均約30万ウォン、商標・デザイン審判は1件当たり約24万ウォンの審判請求料がかかるが、全体的に推算すると、特許4.5億ウォン、商標5.4億ウォン、デザイン0.2億ウォン等、年平均計10億ウォンに上る手数料が国民に返還される。

シン・ジンギュン特許審判院長は、「特許庁が審査を誤り、国民に不便を与えた場合、手数料の返還ができるよう見直すことで、これまでの非正常的な慣行を正した。特許審判院は今後も引き続き、国民の立場に立って不合理的かつ不便な審判制度を改善するよう努力していくつもりだ」述べた。

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