知的財産ニュース 自己治癒高分子に関する特許出願が増加

2016年4月20日
出所: 韓国特許庁

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最近、イ・セドル9段との囲碁対局で、自ら問題点を認識して解決する能力を見せた人工知能アルファ碁が世界中から注目を浴びている中、高分子素材においても自ら損傷部位を認識して損傷の前の状態に復旧させる自己治癒高分子(自己修復性高分子材料)[1]に対する業界の関心が高まっている。

自己治癒高分子とは、分子の大きさが非常に大きい高分子に治療物質を含むマイクロカプセルを分散させ、又は治療可能な機能を付与した高分子であり、これを使って製造した素材はコーティング材、建築材、医療素材等、多様な分野に使用されている。

自己治癒高分子を自動車の塗装等に適用すると表面の傷が除去され、アスファルトに適用すると破損された道路が元に復元される。また、人工皮膚素材に適用すると損傷した部位が実際の皮膚のように傷が治る効果が現れる。

特許庁によると、このような自己治癒高分子素材に関連する特許出願は、過去10年間、増加し続けており、2006年から2012年までは平均3~4件が出願されたが、2013年以降は平均10件以上と出願が活発に行われている。

自己治癒高分子素材の形態は、大きく「カプセル型(高分子内に治癒物質を含むマイクロカプセルを分散させた高分子)」と「自己修繕型(高分子自体に治癒機能を付与した高分子)」でされるが、最近の出願傾向を見ると、カプセル型の自己治癒型高分子素材の出願が相対的に増加する傾向にある。

自己治癒高分子素材の産業別出願動向を具体的に見ると、コーティング、フィルム、塗料等のコーティング材、セメント、アスファルト等の建築材から電子、医療、光学素子まで、多様な分野で出願されており、これらの素材を利用した産業的波及効果は非常に大きいものと予想される。

自己治癒高分子素材の主要出願人を見ると、外国出願人はまだ国内における特許出願をあまり行っていないのに対し、国内出願人は企業を中心に徐々に増加している。

さらに、出願分野を具体的に見ると、研究所と大学は自己治癒高分子素材及び製造方法に関する特許出願の割合が高く、企業の場合は、自己治癒高分子素材を応用した特許出願が相対的に高い傾向を見せている。

特許庁のジャ・スングァン高分子繊維審査課長は「自己治癒高分子素材分野は、まだ国内外の技術格差が大きくない上、適用分野が多岐にわたっている環境に優しい技術分野だ。産・学・研間で中長期プロジェクトを効率的に進めていけば、国家競争力を持つ自己治癒高分子素材に関する源泉技術を開発できると思う」と述べた。


注記

[1] 自己治癒高分子は、セルフ・ヒーリングポリマー(Self-Healing Polymer)とも呼ばれる。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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