知的財産ニュース 特許庁、「2015年国家特許戦略青写真報告書」を発刊

2016年3月9日
出所: 韓国特許庁

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スマートウォッチ、スマートグラス、スマートバンド等「ウェアラブルデバイス」技術は、情報通信メディア分野に関連する特許から導き出した388の中核技術の一つだ。同技術に係る特許は世界に4,342件(米国1,869件)あり、これを分析した結果、同技術は最近急浮上している有望技術であって韓国の特許競争力は良好だった。特に、グローバル企業の特許の壁はまだ厚くないため、新しいアイデアも登場し続け、韓国が積極的なアクションを取るのであれば、源泉・中核特許の先取りが可能になるものと分析された。ただ、よく知られていないMacgyver Acquisition LLC(米国特許81件確保)のような特許管理専門会社(NPE)の特許が多く(129件、6.9%)、特許の取引も非常に活発(193件、10.3%)であることから、今後特許紛争への備えが重要になると予測された。
(「情報通信メディア」分野の特許戦略青写真報告書中「ウェアラブルデバイス」部分引用)

特許庁は、6大産業分野の関連特許から導き出した1,688の中核技術を分析し、特許観点の未来有望技術とこれに対する
特許先取り戦略を提示する2015年国家特許戦略青写真の最終報告書を発刊すると発表した。
※情報通信メディア、陸上輸送、製造基盤、半導体、ディスプレイ、電力/原子力

「国家特許戦略青写真」は、専門家らの直観や経験だけに依存して未来有望技術を発掘する慣行を改善しようと、特許庁が保有した3億件余りの特許ビックデーターを分析し、源泉・中核特許を先取りできる未来有望技術を探す事業で、2012年から始まった。

年度

青写真構築対象18大分野の現況

2012年

3つ

1.移動通信 2.バイオ産業 3.次世代ロボット

2013年

4つ

1.産業融合 2.素材産業 3.エネルギー資源 4.環境・気象

2014年

5つ

1.農林水産食品 2.部品 3.新・再生可能エネルギー 4.海上/航空輸送 5.LED/光

2015年

6つ

1.情報通信メディア 2.陸上輸送 3.製造基盤 4.半導体 5.ディスプレイ 6.電力/原子力

今回の報告書は18大産業分野に対する国家特許戦略青写真の構築を完成する4年次の報告書で、昨年3月からR&D企画専門家、技術専門家等58人の戦略委員と138人の実務委員、17の特許分析機関が共に参加して作成した最終結果だ。

同報告書は、各分野別総合報告書とIP戦略報告書で構成され、6代産業分野の1,688の中核技術に対して抽出された韓・米・日・欧州等、主要国の有効特許91万件を基に分析・作成された。特許観点から各技術の浮上性、源泉特許の確保可能性、グローバル競争の度合い、紛争可能性、新しい解決手段の登場有無等を総合的に分析した。特許観点からの有望技術(約60個)及び有望R&D課題(155個)、主要出願人及び紛争履歴、主要特許リスト等、詳細な情報(計18冊、8千頁)が盛り込まれている。

国家特許戦略青写真の最終報告書の構成

総合報告書
(計6冊)

  • 事業推進体系及びプロセスと産業分野別分析方法論
  • IP戦略技術体系、浮上技術分析結果、有望技術導出過程結果

電子ファイル(USB)配布
※一部機関冊子の配布

IP戦略報告書
(計12冊)

  • 中核技術別深層分析を通じたIP確保戦略の提示
    ※主な先導企業特許のHistory及び詳細の要素技術別発電持続性と新規探索研究分野の分析、特許紛争現況及び主な出願人の特許確保推移、特許観点有望技術要素及び候補R&D課題の提示

電子ファイル(USB)配布

特許庁のキム・テマン産業財産政策局長は「特許は高級技術情報であって、これを深層分析すれば、国別・企業別R&D戦略を把握し、韓国が目指すべき方向を見い出すことができる。今年はこれまで構築してきた青写真特許データを政府R&D投資情報や企業売上情報等と連携した高級技術情報に拡大して「青写真特許データセンター」を構築するとともに、特許情報の確保に困難を抱える中小企業向けの特許分析も新たに提供する計画だ」と述べた。

特許庁はR&Dを行う各省庁や研究管理専門機関、産業分野別関連協会等に報告書を提供して、国家研究開発の現場で活用できるようにする予定であり、民間企業や大学、研究所等も申込みにより報告書を入手できる。

詳しい事項は、特許庁(www.kipo.go.kr)と韓国知識財産戦略院(www.kista.re.kr)のホームページで確認できる。

※お問い合わせ:韓国知識財産戦略院の創意革新チーム(02-3287-4295、4378)

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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