知的財産ニュース 特許庁‐KBS、韓流知財権に向けた協力を強化

2016年12月14日
出所: 韓国特許庁

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韓国特許庁と韓国放送公社(KBS)は、韓流コンテンツの企画段階から先を見据えた知財権保護体制の構築に向け協力することにした。

特許庁とKBSは2016年12月15日(木)午前10時KBS本館にて、両機関の長が参加した中、韓流コンテンツ及び海外知財権保護に関する協力覚書を締結した。

今回の覚書の締結は、韓流ドラマの成功によって海外における著作権の収益は大幅に増加したが、商標権やデザイン権等産業財産権に対する保護が不十分であることから、これを活用した付加収益の創出が低迷する状況を改善し、事前の知財権の確保の重要性に対する認識を高めるために推進された。

代表的な韓流ドラマだった「大長今」は日本、中国等87カ国に118億ウォン規模で輸出されたが、商標権を適時に確保できなかったため、紛争が発生し収益事業が困難を抱えた。かき氷ブランド「雪氷」は、ドラマ「ピノキオ」に背景として登場し大きな人気を集めたが、海外で約50件の同一・類似のブランドが登録され、類似の店が乱立し事業に支障を来たした。

両機関は、このような問題点を乗り越え、韓流コンテンツを活用した収益を最大化するために、コンテンツの企画段階から知的財産権を事前に保護するための協力を推進することにした。

韓流ドラマが放映される前の企画段階において、ドラマの商標権やPPL(間接広告)商品に対する商標・デザイン権等の知財権をあらかじめ確保することで付加収益の創出を促進し、紛争発生時には迅速に対応できるようにPPLに係る中小企業やドラマ制作会社等を対象に知財権保護コンサルティングを行う計画だ。

両機関は、現在企画中のドラマの中で大ヒットする可能性が高いドラマを選んで、知財権保護に関するコンサルティングを行う計画であり、知財権の確保戦略だけでなく、ライセンス契約や収益事業化、海外輸出等知的財産権を活用する戦略まで総合的に支援する案も検討していくことにした。

一方、知財権保護をテーマにした放送コンテンツを制作し、主要知財権保護イシューが報道されるように協力する等、知財権保護の重要性に対する社会の認識を高めるための協力も行うことにした。放送コンテンツの製作・流通企業の関係者を対象とする知的財産権の保護教育も支援する。

チェ・ドンギュ特許庁長は「韓流ドラマ事業は、著作権の売り上げだけでなく、PPL製品の販売、キャラクター・アルバム事業等IPを活用した多様な収益事業が可能であり、むしろ著作権の売り上げをはるかに上回る収益が出ている。KBSとの協力によって韓流コンテンツ事業の収益の最大化に向けた基盤を整えていく」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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