知的財産ニュース 第4次産業革命の中核技術に関する特許動向

2016年9月5日
出所: 電子新聞

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人工知能(AI)やモノのインターネット(IoT)等、第4次産業革命の中核技術において、韓国企業の特許準備が足りないことが分かった。韓国知財戦略院は9月2日、ソウル市インペリアル・パレスホテルにて「第4次産業革命中核技術の特許トレンドセミナー」を開き、分析結果を発表した。

第4次産業革命に関する19大中核技術を選定し、これに関する韓・米・日・欧州の特許13万件の技術出現時期と成熟度、国別特許確保の現況、グローバル企業の特許活動、技術浮上度、韓国競争力、特許訴訟の動向等を分析した。特許の誕生から消滅まで、生涯周期にわたって多角的にアプローチした。

国別に分析した結果、第4次産業革命の中核技術のうち、国内出願人の特許シェアは18%であると分析された。米国(39.6%)と日本(24.7%)に次ぐ3番目となる。


出願人の国籍別第4次産業革命19大中核技術特許のシェア/資料:韓国知識財産戦略院

特許の質を示す引用度と市場確保の面では一段階低い4位と評価された。

出願人の国籍別特許被引用率/資料:韓国知識財産戦略院

技術分野に見ると、サービス用のロボットと遺伝体研究特許が1990年代半ば以降、着実に増加していることが分かった。また、最近第4次産業革命の中核技術として注目されている人工知能、ウェアラブル、自律走行自動車等の主要技術は2000年代初め、すでにほとんど構築されていたことが確認された。市場進出の際、特許紛争に綿密に対応しなければならない理由である。

これに関連して、セミナーで分析結果を発表した韓国知識財産戦略院のペ・ジンウ グループ長は「中核技術の基盤特許のほとんどは、グローバル企業が特許ポートフォリオを構築した状態だ」とし、「競争力の確保のためには、基盤特許ではなく、応用分野の特許を早く獲得することが求められる」と強調した。

企業に注目してみると、国内企業のうち第4次産業革命に最も積極的に対応する企業はサムスン電子であることが分かった。全体のグローバル企業の中では、トヨタに次ぐ2位となる。サムスンは、特にサービス用のロボットとスマートホーム、モノのインターネット分野に集中し、計2,580余りの特許を出願した。次に現代自動車(1,680件)とLG電子(1,467件)、韓国電子通信研究院(1,424件)の順となる。


企業別第4次産業革命中核技術の特許出願の現況/資料:韓国知識財産戦略院

今回の研究は、韓国知識財産戦略院が2012年から昨年にかけて、韓国内の全産業分野の4,000余りの中核技術関連特許情報330万件を分析した「国家特許戦略の青写真特許DB」を基に行われた。第4次産業革命の先導技術とされる無人輸送手段、3Dプリンティング、先端ロボット工学、新素材、モノのインターネット/遠隔モニタリング、ブロックチェーン/ビットコイン、共有経済/オンデマンド経済、遺伝工学、合成生物学、バイオ・プリンティング等10大技術と「特許戦略の青写真ビックデータ」の技術体系の中から、特許関連性の高い4大分野19の中核技術を別途選定した。詳細な研究結果は、今後政府・民間に公開される予定だ。

ヤン・ソヨンIPノミックスの記者 syyang@etnews.com

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