知的財産ニュース 特司警、偽物の製造・流通業者を摘発

2016年12月7日
出所: 韓国特許庁

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韓国特許庁の商標権特別司法警察隊(以下、特司警)は偽造された大手企業の洗剤の偽物を本物と偽って製造・流通させた金氏ら4人を商標法違反の容疑で在宅起訴したと12月7日に発表した。

特許庁特司警によると、製造業者である金氏等、製造責任者らは、忠清北道沃川邑に製造工場を構え、2012年4月から2016年5月まで洗剤の偽物172万点余り(正規品時価201億ウォンに相当)を製造し市中に流通させた疑いを持たれている。

特許庁特司警の調査結果、金氏はCJ、LG、愛敬等、国内の大手企業の商標を盗用した粉洗剤、液体洗剤、柔軟剤等、偽の洗剤を製造して、流通業者に供給したことが明らかになった。

彼らが製造した偽の洗剤は、泡立ちが悪く、汚れも落としにくい等、見た目だけ洗剤という。被疑者らは、製造コストの削減のために主要成分の含量を下げた。成分分析の結果、洗浄成分である界面活性剤の含量は正規品に比べ10%以下、漂白成分である過炭酸塩の含量は22%以下に過ぎない等、洗浄力が非常に弱いことが明らかになった。

流通業者は、訪問販売を通じて洗剤の偽物を流通した。流通業者のソン氏は、金氏に偽の洗剤の供給を受けて全羅北道扶安の流通倉庫に保管しておいて全羅北道の孤児院や老人ホーム、保育園、お風呂場等に供給した。もう一人のソン氏も、京畿道河南に流通倉庫を構え、首都圏で訪問販売したことが明らかになった。彼らは、広告チラシを作って有名大手の洗剤を偽って商品を販売した。

特許庁特司警は5月10日から6月9日まで、忠清北道沃川の製造工場、京畿道河南市・全羅北道扶安の偽物流通倉庫の2ヵ所を家宅捜索し、CJ洗剤の偽物1万5,000点余り(正規品時価2億ウォン相当)、包装紙・ラベル9万7,000点あまり等11万2,000点余りを押収した。

特許庁のパク・ソンジュン産業財産保護協力局長は「孤児院、老人ホーム等、脆弱層を対象に大企業の製品偽物の販売した行為に警鐘を鳴らす例だ。特に、日常生活で身近な偽物の販売行為は必ず撲滅しなければならない不法行為であるため、これからも国民の健康と安全に係る偽物の取り締まりにさらに力を入れる計画だ」と話した。

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