知的財産ニュース 韓国特許庁長の新年のご挨拶

2016年1月5日
出所: デジタルタイムズ

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2016年 新年のご挨拶

2015年が「発明の日50周年」を迎え半世紀の成果をまとめる1年だったとすれば、今年は韓国知的財産の次の半世紀を切り開く転機となる重要な時点だと思います。

新たなアイディアと新技術が知的財産によって付加価値を創出し、国家経済が一段と跳躍できるよう、最善を尽くします。まず、特許庁業務の最も基本となる審査・審判業務を忠実に行う方針です。審査処理速度は、現在水準である特許10カ月、商標・デザイン5カ月程度を維持しつつ、より正確な審査ができるよう、努力しなければなりません。産業現場や特許顧客などとのコミュニケーション及び協力を強化して審査品質をさらに高めていきます。また、審査支援事業及び主要国との審査協力を拡大するとともに、審査官1人当たりの処理件数を先進国並みに適正化するため、審査人員の拡充も引き続き進めます。

米国・日本など、主要国は迅速かつ正確に知財権紛争を解決するため、審判制度を持続的に改善しています。韓国の審査と審判、訴訟も国民が予測可能な一貫性のある結果を出さなければなりません。そのために、全ての無効証拠が特許審判員の技術的判断を受けられるよう無効審判関連制度を見直します。

中小・中堅企業が自ら成長できるよう、IP研究・開発(R&D)戦略、IP金融など、多様な支援策を強化・拡大します。優秀特許不足により発生する知的財産権使用料収支の赤字を減らし、政府と民間のR&D効率性を高めるために、「政府R&D特許設計支援事業」、「公的機関保有診断事業」などを新たに推進し、中核・標準特許の創出に向けた支援も強化します。

企業の研究・開発の成果が死蔵されることなく、付加価値創出につながるよう、知的財産関連税制の見直しを進めると同時に、IP需要企業の発掘に積極的に取り組むなど、知的財産取引の活性化にも力を入れます。

今後韓国特許庁は、グローバル知的財産制度をリードするFirst Moverを目指さなければなりません。そのために、IP5及びTM5 、ID5のような知財先進5カ国の一員として、戦略的交渉により国際秩序の変化を主導するとともに、途上国支援事業のような多角的国際協力活動も行っていきます。

このような国際協力の努力に加え、模倣品取締り強化などによって国内における知財権保護の実効性を高める一方で、中国の西安にIP-DESKを新たにオープンするなど、韓国企業の海外知財権紛争被害を減らし、国際社会に認められる知財大国を目指します。

韓国は出願では世界4位だが、GDPなど、経済規模を考慮した韓国人の出願割合は明らかに世界トップだと思います。2016年はこのような発明DNAの権利化・商用化に皆様のご努力が加わり、知的財産行政が経済革新と創造経済の実現につながるよう最善を尽くす1年になることを願います。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
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