知的財産ニュース サムスン電子、2015年国際デザイン出願で1位

2016年4月11日
出所: 韓国特許庁

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特許庁は、世界知的所有権機関(World Intellectual Property Organization)が発表した「2015年、ハーグシステムを通じた国際デザイン出願分野」で、サムスン電子が1位となったことを明らかにした。

※一度の出願により簡便に米国、日本、欧州等、複数の国にデザインの登録を受けることができる制度で、韓国は2014年7月に加盟

サムスン電子は1,132件を出願し、2位のスウォッチ(Swatch、511件)と大きな差をつけ1位に上り、ポンケル(Fonkel、438件)が3位、フォルクスワーゲン(Volkswagen、418件)が4位、プロクター・アンド・ギャンブル(Procter&Gamble、369件)が5位となった。サムスン電子は、国際デザイン出願1位だけでなく、米国デザイン登録順位でも過去3年間1位の座を守り続けている。

一方、国別順位では、韓国が1,282件と、ドイツ(3,453件)とスイス(3,316件)、フランス(1,317件)に次いで世界4位となり、イタリア(1,186件)と米国(1,039件)がその後を継ぎ、それぞれ5位と6位に上がった。

韓国が2014年7月にハーグ協定に加盟してから短期間で国際デザイン出願において世界4位と達成した理由は、ハーグ協定の長所が広く認識されることにより、国内大企業等を中心に制度の活用が大幅に増加したためと分析される。

ハーグ制度を利用する場合、各国ごとに出願代理人を指定する必要はなく、一つの言語で手続きを踏むことができるため低コストで済む上、登録されたデザインの権利関係の変動等を一括して処理できる等、個別国に直接出願するより費用と管理の面で非常にプラスになる。

一方、同制度は、これまで主に新規性等、登録要件に対する審査がない欧州諸国を中心に運営されてきたが、2014年7月韓国の加盟をきっかけに、2015年米国、日本等、実体審査を採用している主要諸国が相次ぎ加盟し、総出願件数が2014年14,441件から昨年には16,435件と13.8%増加する等、出願量は急速に増えている。

特許庁のチェ・ギュワン商標デザイン審査局長は「今回の成果は、短い期間でハーグシステムが成功裏に定着していることを示すもの」とし、「条約に加盟したばかりなので、中小企業による制度の活用はまだ少ないが、今後中小企業もハーグシステムを適切に活用できるよう、輸出中心の中堅企業を直接訪れる等、広報に積極的に取り組む計画だ」との意気込みを示した。

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