知的財産ニュース 関税庁、模倣品摘発に関する統計を発表

2016年2月1日
出所: 韓国関税庁

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韓国関税庁は、過去3年間知的財産侵害として摘発された模倣品4千万点に関する分析資料を発表した。

2013年から2015年まで知的財産権侵害で関税庁に摘発された模倣品は計828件と、正規品価格では1兆5,568億ウォンに上る。

摘発金額でみると、勃起不全治療剤のバイアグラが1位(正規品価格2,076億ウォン)、時計メーカーのロレックスが2位(正規品価格1,629億ウォン)、カバンメーカーのルイヴィトンが3位(正規品価格1,445億ウォン)となった。
※4位:シアリス(正規品価格1,084億ウォン)、5位:カルティエ(正規品価格993億ウォン)

摘発数量では、勃起不全治療剤のバイアグラが1位(1,922万点)、勃起不全治療剤のバイアグラが2位(807万点)、産業用切断研石商標である3Mが3位(363万点)となった。
※4位:レビトラ(106万点)、5位:任天党(83万点)

摘発件数でみると、国内ブランドであるサムスン(イヤフォン、携帯電話充電器・ケース等)が計63回と1位、次いで49回のルイヴィトン(カバン類、衣類織物類等)、40回のシャネル(身辺雑貨類、衣類織物類等)の順となる。
※ブレスレット、イヤリング、ネックレス、サングラス等

また、製品群別摘発金額では、(1)時計類 > (2)バイアグラ類 > (3)カバン類 > (4)衣類及び織物類 > (5)身辺雑貨類の順となった。

  • 時計類ブランド
    ロレックス > カルティエ > パテックフィリップ > ヒュブロ > アルマーニ
  • カバン類ブランド
    ルイヴィトン > シャネル > グッチ > エルメス > プラダ
  • 衣類及び織物類ブランド
    シャネル > ルイヴィトン > グッチ > バーバリー > モンクレ―ル
  • 身辺雑貨類ブランド
    カルティエ > シャネル > クロムハーツ > ブルガリー > バーバリー

過去3年間の統計資料をみると、中国等で違法製造された勃起不全治療剤(バイアグラ、シアリス)が摘発され続けており、産業・建設現場で使用される工具類(3M切断研石等)を模倣して流通させる組織も継続して摘発される等、国民の健康や社会の安全を脅かす模倣品の流通が続いていることが分かる。

関税庁は模倣品の流通を予め防止するため、(1)模倣品情報分析を専門的に行う組織を活用して模倣品の流入増加が予想されるブランドに対しては、情報収集・分析を強化する等、予めの対応措置を取っており、(2)最近増加傾向にあるインターネット・SNSを通じた模倣品流通を遮断するためオンライン通販サイトやインターネットポータル事業者(Gマーケット、11番街、クーパン、ネイバー、カカオ等)と連携して抜き打ちモニタリングを行うとともに、(3)国民の健康・安全と直接係わる模倣品に対しては関係機関と共同で特別取締りを行う等、模倣品の国内搬入及び流通を徹底的に取り締まる計画だ。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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