知的財産ニュース アップル、サムスンの上告に棄却要請
2016年8月1日
出所: 電子新聞
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アップルは7月29日(現地時間)、米連邦最高裁判所の裁判部にサムスンのデザイン侵害事件の上告を棄却することを要請した。
アップルは、デザイン特許侵害による損害賠償問題について議会が明確な立場を取ってきたとし、サムスンが追加で主張を展開することを最高裁判所が許可する理由がないと主張した。
米国連邦最高裁判所は、「サムスン対アップル」の上告審の口頭弁論を10月11日に開くことにした。判決は、前例からみて、今年末か来年初めに出るものとみられる。
同事件の裁判は、アップルが2011年にサムスン電子のギャラクシーS、ギャラクシータブレッド等がアップルが保有したスマートフォンとタブレットPC関連特許を侵害したとしてサムスン電子と米州法人のサムスンエレクトロニックスアメリカ、サムスンテレコミュニケーションズアメリカを相手に米カリフォルニア北部の連邦地方裁判所・サンノゼ支部に訴訟を起こしたことから始まった。
サムスン側は1審と2審で敗訴した後、昨年12月、アップルに2審の損害賠償額5億4,800万ドル(6,100億ウォン)をいったん支払った後、連邦最高裁に上告許可を申請し、最高裁判所はこの申請を受け入れた。
連邦最高裁判所は上告審で、「デザイン特許が製品の一つの構成要素にのみ適用される場合、特許侵害損害賠償額が侵害者の利益のうち、この構成要素に起因した利益に限定されるべきか」という質問を審理することにした。米国最高裁判所がデザイン特許事件を扱うのは1894年以降初めてだ。
米国の法律は現在、製品の一部構成要素においてのみ特許侵害が発生しても、全体製品の価値や利益を基準に損害賠償額を算定するように規定している。
しかし、サムスン電子は、当該デザイン特許がサムスン電子のスマート機器の価値に1%だけ寄与しているのに、利益の100%を持っていくのは不合理的だと主張している。サムスンがアップルに支払った2審の損害賠償額のうち、デザイン特許に係る部分は72.8%の3億9,900万ドル(4,400億ウォン)だ。
先月米法務部は、最高裁がこの事件を下級裁判所に差し戻した方が望ましいという意見書を提出した。
当時法務部は「サムスンが携帯電話全体ではなく、携帯電話の部品を基に損害賠償額を算定しなければならないという主張を上告の理由として提示したが、サムスンがこのような主張を支える十分な証拠を提示したかどうか不明確であるため、最高裁判所が下級審に事件を差し戻した方が望ましい」という趣旨の意見を出した。
グォン・サンヒ記者 shkwon@etnews.com
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