知的財産ニュース エアコン関連特許出願、5年間で50%急増

2016年3月9日
出所: デジタルタイムズ

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空気浄化技術を始めとするエアコン技術の競争激化に伴い、エアコン関連特許件数が5年間で50%以上増えた。エアコン市場が飽和状態に入り、空気清浄技術や風を制御する技術等、技術の高度化による製品の差別化に焦点を当てている。

特許庁によると、2008年~2009年の経済危機により激減していたエアコン特許出願件数は2010年以降再び増加している。過去5年間エアコン関連特許・実用新案出願件数は、2010年1383件から2013年1885件、2014年2101件と、約52%急増した。

エアコン関連特許・実用新案出願推移

これは、エアコン市場が安定化の段階に入っており、差別化した技術開発やエネルギー効率問題を改善しなければ、競争で生き残ることが難しいためとみられる。

特許庁の関係者は「最近、エネルギー効率等級基準がさらに上方修正され、エネルギー効率1等級を受けるための関連会社間での技術開発競争がさらに激化する見通しだ。最近使用者に合わせたエアコン制御技術や室内活動量を感知して運転方式を決める技術、室内のほこり等を感知する技術に係る特許出願が増えた」と話した。こうしたことから、関連企業は、差別化した技術開発に集中し、使用者が求めるエアコンシステムや風の強さを反映するために努力している。国内エアコン市場の先導企業であるLG電子は、エアコン関連特許出願で全体の約42%を占めているほど技術開発に積極的に取り組んでいる。今年の新製品は、人体感知カメラを利用してリアルタイムで人の形象や室内状況を把握し、風量や方向を自動的に設定する。

サムスン電子も空気調和機システム制御技術を保有しており、今回の新製品は、メタルクーリングパネルに適用された約13万5000のマイクロホール技術で室内温度を一定に保てるようにした。

キャリアエアコンは、漢陽大学と共同で1年にわたって研究してきたウルトラ・ハイブリッドファンを採用することで空気抵抗を最小限に減らした生体力学技術と、少ないエネルギーで長く飛行する航空工学技術を融合し、今年の新製品を発売した。

業界の関係者は、「今年のエアコン製品は、基本的に強いエアコンの風を当たり続けることを心配する使用者のために、エアコンの風量調節機能に主力した。今後も引き続き、使用者が求める微細な風量調節技術や室内状況と活動量に合わせた技術の開発に努めていく計画だ」と話した。

キム・ウン記者 silverkim@dt.co.kr

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