知的財産ニュース サムスンの偽サイトが発覚…被害防止に全力

2015年4月22日
出所: 電子新聞

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サムスンの偽のサイト(ファーミング)が世界中の消費者を相手に2年間運営されてきたことが分かった。海外では消費者が誤認するケースも相次いでおり、各国の法人では消費者被害を防ぐために全力を尽くしている。「韓国を代表するブランド」の盗用は、国のステータスにも打撃を与えかねないだけに対策が求められる。

サムスン電子のマレーシア法人は、最近ホームページ(Samsung.com/my/home)に告知を出して「サムスンの偽のサイト(samsungiprize.com)」に対する注意を呼びかけた。告知によると、同サイトの運営者は、不特定多数の消費者に対して85万パウンド(13億7,000万ウォン)に相当する褒償金を得られるという内容の文字メール(SMS)を送り、サイトへのアクセスを誘導した。メールには「サムスンキー(Samsung key)」という名の一連番号も含まれていた。


サムスンの偽サイト「Samusung iPrize」のメインページ

本紙がアクセスしたサムスンの偽サイト「Samsung iPrize」は、サムスンのホームページに間違えられるくらい似ている。サムスン電子の各商品の写真とともに「会社紹介(About Samsung)」、「投資情報(Investor Relations)」のリンクを張り、商品分類もモバイル、デジタルサイネージ、ヘルスケア、LEDなど実際のサムスン電子の事業群に構成した。

メインページには「iPrize 2015」のポップアップが表示された。「Samsung iPrize consumer cash awardsの受賞者が発表されました。当選された方は、当該リンクにアクセスしてSMSに送信されたサムスンキーを入力して褒償金を受領してください」という内容だった。ユーザがその内容とおりに入力すると、マルウェアがユーザのコンピューターに感染し、個人情報を盗み取る手段として悪用される。

ホームページの構成もサムスンのものを連想させる。リンクがサムスン電子のアイルランド法人(Samsung.com/ie)につながるように設定されているためだ。一部のリンクはページが応答しませんというメッセージが示されるなど、欠陥も見つかった。サムスン電子のホームページである「サムスンドットコム(samsung.com)」は、システムの特性上ページの応答なしが発生する場合、自社で作った「ページが応答しません」というメッセージを表示し、偽サイトでないことを証明している。ドメインの登録情報上、所在地となっている「アイルランドのゴールウェイ地方」もサムスンとは関係ない所だ。

イギリス、アイルランドで始まった犯罪がドイツ、フランスなど欧州大陸を経て東南アジアにまで拡散している。サムスン電子は、本紙の取材により関連事実を確認し、22日に当該サイトを閉鎖した。サムスン電子の関係者は「商標盗用などの問題があり、関連部署で措置を取った」と述べた。

問題は、このような「偽サイト」がアドレスのみを変更する手法で2年前から活動していたことだ。欧州の関連業界によると、今回と同じ手法の詐欺がホームページのアドレスのみを変更して相次いでいた。当該サイトは今年3月にドメインが作られたが、その以前にも「モバイルサムスン」、「サムスンプロモ」など、類似したドメインにおいて同じ詐欺を繰り広げていた。

ソ・ヒョンソク記者

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