知的財産ニュース 特許庁、特許虚為表示の取り締まりを強化

2015年12月17日
出所: 韓国特許庁

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特許庁は2005年12月18日付で「知識財産権虚為表示通報センター」の運営を始め、「知識財産権表示ガイドライン」を制定・配布して知財権虚為表示の根絶及び知財権表示秩序の改善に取り組む。

知的財産権の虚為表示通報センターの開設及び運営

まず、知財権虚為表示行為に関する通報を受け付け、関連相談サービスを提供する窓口として「知識財産権虚為表示通報センター」を韓国知識財産保護協会に新たに設置し、運営を始める。

通報センターは、国民なら誰でも利用でき、代表電話(1670-1279)及び電子受付(www.ip-navi.or.kr外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)、電子メール(1279@kipra.or.kr)にて通報・相談の受付を行っている。

通報が寄せられた事件については、特許庁から特許法や商標法等、関連法を違反したかどうかを最終確認の上、行政指導書を送付して是正されるよう指導していく予定だ。行政指導書を2回送付した後も是正されない場合は、刑事告発のような実効的な措置も取る計画だ。

なお、通報センターでは虚為表示が多く発生するオンラインショップを対象に定期的なモニタリング及び実態調査を実施し、正しい知財権表示方法を知らせるPRや教育を行う予定だ。

知的財産権の虚為表示の通報対象

通報の対象となるのは、知財権の表示(広告を含む)を偽る行為である。具体的に、知財権登録されていない物や知財権出願中でない物等に知財権登録表示や知財権出願表示をする行為、又は消費者を混乱させる表示をする行為が対象となる。

主な類型としては、製品に適用されていない知財権の登録(出願)番号を表示、又は存在していない知財権の登録(出願)番号を表示する行為、知財権登録が拒絶された製品なのに知財権表示をする行為等がある。

知財権を受けたかのように混乱を招く行為も知財権虚為表示に該当し、通報の対象となる。例えば、知財権を受けていないにも関わらず、特許庁のロゴを使ったり、特許庁認証製品と虚為広告したりする行為がこれに当たる。

知的財産権の虚為表示の通報センターの開設背景

最近、オンラインショップ等のインターネット上で知財権虚為表示が頻発しており、新聞や雑誌、チラシや看板等の広告においても発生している。知財権虚為表示は、消費者に間違った情報を提供することで製品の品質誤認や出所混同を招き、不良製品の購買による金銭的被害をもたらす可能性が高い。

※韓国の主なオンラインショップにおける特許虚為表示実態調査(2015年6月)の結果、特許を活用した広告のうち、正しく表示した場合は56.9%、明らかな虚為表示である場合は6.0%、特許番号を不明確に表示、又は特許番号がない場合は37.1%(虚為表示に該当する可能性高い)となる。

特許庁はこの問題を解決しようと、今年7月に開催された国家知識財産委員会の案件に「健全な取引秩序確立に向けた知識財産権表示改善策」を上程・議決し、その後続措置として今回の対策を作った。

知的財産権表示のガイドラインの策定・配布

一方、知財権関連法に基づく正しい知財権表示方法を発信させるため、知財権表示ガイドラインを策定し配布する。ガイドラインには、正しい知財権表示方法及び事例から、知財権表示類型及び事例、刑事処罰制度、行政処理手続きまで、知財権表示全般に対する説明や案内が盛り込まれている。

同ガイドラインは、特許庁のホームページ(www.kipo.go.kr外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)や知識財産保護協会のホームページ(www.kipra.or.kr外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)にてダウンロードできる。

チェ・ドンギュ特許庁長は、「知財権虚為表示は消費者を騙して商品を販売する非良心的な行為で、多くの国民が使うオンラインショップで頻発しているため是正が急がれる。政府としては、通報センターの運営と政府の行政指導により解決に取り組むと共に、ガイドラインも積極的にPRし、公正かつ透明な取引秩序の確立を目指していきたい」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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