知的財産ニュース 国際知識財産研修院、途上国の知財権教育要請が相次ぎ

2015年3月20日
出所: 韓国特許庁

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特許庁の国際知識財産研修院(以下、「研修院」)がグローバル知財権教育機関として定着しつつある。これは、最近韓国の先進的な知財権制度および行政を学ぶため、研修院を訪問する、または教育を要請する途上国が日々増加していることからも分かる。

昨年の場合、サウジアラビア、ザンビア、GCCPO(湾岸協力会議特許庁)の審査官が教育を受け、今年もすでにザンビア、イランなど8カ国で教育に関する問い合わせが相次いでいる。このような途上国向け教育は、派遣途上国で航空券と滞在費用を負担し、研修院で別途の専用プログラムを提供する形で行われている。教育派遣に予算を割り当てることが簡単ではない途上国で、その費用を負担してまで教育を受けたという点で、その意味はさらに大きい。

※教育要請機関(`15年3月現在):ミャンマー、GCCPO、サウジアラビア、イラン、香港、ザンビア、ジンバブエ、ARIPO(アフリカ広域知的財産機関)

対象国も従来の東南アジア諸国のみならず、中東やアフリカなど世界中に拡大しており、教育希望分野も単なる知財権制度に止まらず、技術分野別の審査実務、知財権制度の創出政策など、より具体化・多様化している。

このように途上国で韓国の知財権制度および行政を積極的に学ぼうとする理由は、韓国特許庁が世界5大特許庁(IP5およびTM5)の一員として積極的に活動しており、世界的にも韓国特許庁が先進特許庁として認識されているからだ。また、優れた特許情報システムと豊富な高級人材(博士号取得者計388人)を背景に、迅速な審査処理と同時に高品質の審査サービスを提供していることが国際的に好評を得ているためだと思われる。

2006年、世界初でWIPO公式の知識財産権教育機関に指定された研修院は、これまで「アジア・太平洋地域セミナー」をはじめ、WIPOと共同で様々な教育プログラムを毎年提供するなど、知識財産権分野に関して韓国が有している経験とノウハウを伝授することで、途上国の知識財産権の発展を支援している。

このような教育の提供は、最近中国、タイなどの途上国で韓国企業に対する知財権侵害が深刻な問題として浮上している中、韓国に友好的な知財権環境を造成するなど、現地に進出する韓国企業の知財権保護にも貢献できるため、その意味が非常に大きいと判断される。

国際知識財産研修院のピョン・フンソク院長は、「限られた予算で途上国の教育ニーズを全て受け入れることはできないが、途上国に対する教育は、長期的な観点から韓国企業の知財権保護に向けた根本的な対策につながるだけに、できる限り教育ニーズに対応できるよう取り組んでいきたい」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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