知的財産ニュース 韓国企業の海外商標出願が急増

2015年4月17日
出所: 韓国特許庁

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今年第一四半期の韓国におけるマドリッド国際商標出願件数が、マドリッド協定議定書加入以来、第一四半期の中で最高値を記録した。
※一つの国際出願書でマドリッド協定議定書に加入した多数の国に、同時に商標出願ができる制度(韓国は2003年4月に加入)

第一四半期のマドリッド出願件数は209件で前年同期比約40%増となり、最近、韓国企業の海外商標出願が活発に行われていることと示された。昨年のマドリッド出願が前年比年間約14.6%増であったのに比べると、今年の第一四半期からの増加幅が急増している。

図:マドリッド出願件数推移グラフ

このように最近、マドリッド出願が急増している主な要因は、韓国企業の海外進出に対する関心が拡大し、これに伴ってマドリッド出願のメリットに関する認識も拡大しているからであると推定される。

実際に、今年第一四半期のマドリッド出願を行った企業関係者は、マドリッド出願は費用が安く出願手続きが簡素であるため、今後継続して利用する計画だと述べた。

出願主題別には、イーランドワールドが1位で最も多く出願し、イエンエスコリア(2位)、ロクシップチョアロエ・サムスン電子(共同3位)がその後に続いた。
出願分野別には、化粧品分野の出願が今年第1四半期全体のマドリッド出願の中で最も多い割合(計45個の商品類の中で16.8%)を占め、その次に情報通信機器、衣類分野の出願が多かった。
※出願件数の基準ではなく、商品類を基準に集計した結果である。
(商標出願は一つの出願に商品類を複数で指定することができる)

化粧品分野の出願は、2013年4位、2014年3位にとどまっているが、今年第1四半期には1位を占め、今後この分野の出願順位が注目される。また、化粧品分野の出願は、特定主体に出願が集中せず、多数の企業に分散されていたが、これはブランドのイメージが消費に対し重要な影響を及ぼしているこの分野の特徴を反映したものと見える。

一方、今年第1四半期には、昨年に比べ外国において韓国を指定したマドリッド出願も約18%増(2,845件)と示され、全般的に韓国へのマドリッド出願が増加する見込みである。

韓国を指定した外国企業の中では、2013年から2年間、多出願1位を占めたNOVARTIS AGを抜いてPhilip Morris Brandsが今年第1四半期の外国多出願企業1位を占めた。また、国別には米国、ヨーロッパ連合、中国、ドイツ等で韓国を多く指定していることと示された。

ジャン・ワンホ韓国特許庁情報顧客支援局長は、「第1四半期から韓国のマドリッド出願が目覚ましく増加しているのは、マドリッド出願に対する企業の認識が拡大している肯定的な信号」であると評価し、「韓国企業が世界進出するためには、海外においてブランドを先占することが重要であり、そのためにはマドリッド国際商標出願制度を積極的に活用する必要がある」と明らかにした。

表:年度別のマドリッド出願件数(韓国から外国への出願)、年度別のマドリッド出願件数(外国から韓国への出願)、2015年第1四半期の韓国マドリッド多出願分野現況

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