知的財産ニュース 中小製薬会社、「ジェネリック医薬品の独占販売」にチャレンジ

2015年4月9日
出所: デジタルタイムズ

4957

ジェネリック医薬品の独占販売権を提供する「優先販売品目許可」に中小製薬会社が積極的にチャレンジしている。

食品医薬品安全処(以下、食薬処)によると、医薬品の許可特許連携制度が施行された3月15日から4月3日まで、計41の製薬会社で134件の優先販売品目許可を申請した。申請品目は、特許を侵害していないことを特許審判院・法院が認める場合、最長9カ月間独占販売できる。

医薬品の許可特許連携制度は、ジェネリック医薬品の許可をオリジナル医薬品の特許と連携して出す制度だ。かつては食薬処からジェネリック医薬品の許可を受ければ、特許の有無にかかわらず発売することができたが、これからは許可の申請後、特許を有しているオリジナル製薬会社が異議を申し立てる場合、9カ月間発売が禁止される。その代わりに、第一に許可を申請して初めてオリジナル医薬品の特許を無効化したジェネリック医薬品については、9カ月間独占販売できる優先販売品目許可を提供する。

食薬処によると、現在特許庁に登載されている26のオリジナル医薬品のうち11件は、2013年基準で生産(輸入)実績100億ウォン以上の「ブロックバスター」医薬品で、国内実績の上位1%に含まれる。このジェネリック医薬品の独占販売権が得られれば大きな収益が期待されるだけに、製薬会社間の先取り競争が白熱している。現在26の医薬品のうち12件においては、すでに3社以上の製薬会社がそれぞれ優先販売品目許可を申請している。同時に数社の製薬会社が特許挑戦に成功する場合には、同時販売もできる。

許可を申請した製薬会社を規模別に見ると、売上高1,000億ウォン以上の場合が15社(37%)、1,000億ウォン未満の場合が26社(63%)で、中小製薬会社の数が比較的に多くなった。同制度について、R&Dと特許インフラが充実に備えられた大手製薬会社に有利に作用するとの一部の懸念とは異なって、中小製薬会社が積極的に同制度をチャンスとして活用している。ただし、品目数においては売上高1,000億ウォン未満の製薬会社が申請した品目数が61件(46%)、1,000億ウォン以上の製薬会社が申請した73件(54%)をやや下回った。

食薬処への許可申請に続き、独占権を獲得するための特許訴訟も相次いでいる。業界によると、先月に同制度が施行された後、特許審判院に受け付けられた許可特許連携制度に関する審判請求件数が600件を超えた。

業界の関係者は「特許に自信を持っている業者は、これから積極的な特許挑戦によってジェネリック医薬品市場の先取りに取り組むと見られる。営業力に依存する従来のジェネリック医薬品戦略から他社より一足先に許可を得られる特許戦略に重きを置くしかない状況になりつつある」と説明した。

ナム・ドヨン記者

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、柳(ユ)、李(イ)、半田
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195