知的財産ニュース シェールガス関連技術の特許出願が増加

2015年6月23日
出所: 韓国特許庁

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最近、原油価格の低下をもたらしたシェールガス関連の技術が着実に発展していることが伝えられ、今後、世界エネルギー市場に及ぼす影響が改めて注目されている。

特許庁によると、シェールガスの掘削に関するPCT出願(公開日基準)は、2010年の1,566件から2014年の2,956件へと、ここ5年間年平均17.6%増加した。2015年5月時点で公開された件数も1,335件に上っており、このような増加傾向はさらに続くとみられる。

これらの出願のほとんどは、いわゆる「シェールガス革命」を引き起こした米国企業が主導しており、ハリバートン(1,593件、13.4%)、ベーカーヒューズ(1,452件、12.2%)、シュラムバーガー(1,118件、9.4%)などが主な出願人である。韓国は関連産業があまりため、同期間、韓国人による出願は計85件(0.7%)に止まっている。

主な技術分野としては、水圧破砕及び水処理(2,655件、22.4%)に関する出願が最多となり、ドリルビット及びドリルリング(2,042件、17.2%)、データ処理及び制御(1,419件、12%)、水平及び傾斜掘削(1,137件、9.6%)、地質探査(1,060件、8.9%)関連の出願が後を継いだ。

同分野におけるPCT出願の増加に伴い、韓国特許庁に依頼される国際調査も毎年増加していることが分かった。ここ5年間、同分野の国際調査件数は2010年の580件から2014年の1,472件へと、年平均27%増加しており、これを同期間の公開件数と単純比較すると、同分野の出願全体の約44%が韓国の特許庁に調査依頼されていることになる。

特許審査企画局のキム・ヨンホ局長は「ますます増える世界的二―ズに応え、今年初めごろ、国際特許出願審査2チームを新設するなど審査人員を補強する他、韓国においては馴染みの薄い掘削分野の専門性向上を目指して新技術教育などに取り組んでいる。今後、世界的に信頼される審査サービスを提供するために最善を尽くしたい」と述べた。

※国際調査:当該出願の先行技術の有無などを調査するもので、出願人はPCT出願時に国際調査機関を一カ所(現在、韓国、米国、日本など20カ所の機関がある)選択しなければならない。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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